写真の背景を透過させる背景透過機能をアプリやサイトで利用すれば、ブランドイメージに合わせた写真が作成でき、運用しているECサイトの統一感も出しやすくなります。また、オブジェクト除去という機能を使えば、写真から不要な部分だけ取り除くことができます。
ECサイト用の物撮りやアパレル写真の撮り方・編集で悩んでいる方も、本記事を参考にしてみてください。
写真の背景を消すアプリやソフトとは?
写真の背景を消すアプリやソフトでは、人物や物など被写体の後ろの背景を消すことができます。背景を消す機能には2種類あります。
- 背景透過:写真の背景全体を消せる機能
- オブジェクト除去:背景に写り込んでしまった人物や物など一部だけ消せる機能
どちらか一つの機能しか利用できないアプリもあるため、利用したい機能が付いているアプリを選びましょう。
写真の背景を消す無料アプリ・ソフトウェア5選
1. Photoroom(フォトルーム)
Photoroomとは、AI生成技術を活かし、最短1秒で画像編集ができる無料画像編集アプリ・ソフトです。ECサイトの商品写真を編集するのに利用される方も多く、世界で1億5,000万ダウンロードを突破しているほど人気で、アプリ(iOS版・Android版)とウェブ版の両方が用意されています。
背景透過やオブジェクト除去、AIを利用した背景生成など高機能な写真編集ツールを無料で利用できます。写真を選択するだけで自動的に被写体の判別や背景透過を実行でき、AIが生成した背景や、背景テンプレートを利用すれば、ワンクリックで簡単に写真のイメージを変更できます。
ただし、無料で編集した写真にはPhotoroomのロゴが表示されます。Photoroomのロゴを取り除くには有料プランにアップグレードする必要があるので注意しましょう。
無料で利用できる機能
Photoroomでは、背景透過とオブジェクト除去の両方が利用できます。そのほかに、AI背景生成や背景ぼかし、画像サイズ変更、テンプレート、テキスト追加などの機能も無料です。
2. Snapseed(スナップシード)
Snapseedは、Googleが提供している完全無料の画像編集アプリです。信頼性も高く、写真の編集経験がない初心者でも安心して利用できます。iOS版とAndroid版の両方が用意されています。
Snapseedでは、シミ除去機能を利用して写真に写り込んだ不要な部分の除去が可能です。
利用用途に応じて画像サイズを5つのピクセル(800、1,366、1,920、2,000、4,000)に変更でき、形式と画質もJPGファイル(100%、95%、80%)、PNGファイル、RAWファイルから選択可能です。これにより、解像度を保ったまま画像をエクスポートできます。
デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラで撮影できるRAW形式に対応しているため、写真家として写真を販売している方にも便利です。
写真の背景透過や被写体の切り抜きには非対応なので注意しましょう。
無料で利用できる機能
Snapseedでは、シミ除去機能を利用したオブジェクト除去が可能です。そのほかに無料で利用できる機能は、背景ぼかし、画像サイズと画質の変更、テキスト追加、11種類の加工フィルター、28種類のツール、二重露出などです。
3. Adobe Express(アドビエクスプレス)
Adobe Expressとは、無料で写真の背景透過やオブジェクト除去、テンプレートを活用した背景変更などができるAdobe社のデザインツールです。生成AI機能も搭載されているため、テキストを打ち込むだけで頭の中のイメージを形にできます。
無料プランでも豊富なテンプレートや素材、フォントなどが用意されているので、ほかと似たようなデザインを作りたくない方におすすめです。Adobe Expressで作成した画像はロゴなしでダウンロードできます。アプリ(iOS版・Android版)とウェブ版の両方で利用可能です。
無料で利用できる機能
Adobe Expressでは、背景透過とオブジェクト除去の両方が利用できます。そのほかに、背景ぼかし、画像サイズ変更、テンプレート、テキスト追加、PDFファイルの読み込みと編集、GIFとJPGに変換、QRコードの生成、リアルタイムでの共同作業などが無料です。
また、Adobe社ならではの1,000種類以上のAdobeフォントやPhotoshopおよびIllustratorファイルの読み込みと編集機能も使用可能です。
4. MyEdit(マイエディット)
MyEditとは、AI技術を搭載した無料オンライン画像編集・写真加工サイトです。ウェブ版のみで利用できます。利用できる機能が充実しているので、ECサイトやSNSなどさまざまな用途に活用できるでしょう。
背景透過とオブジェクト除去の両方に対応していて、AI技術で商品に合わせた背景を自動作成してくれる機能もあるため、ECサイト用の写真編集にも利用しやすいサイトです。
ただし、無料ユーザーは1日1回までしか編集した写真をダウンロードできないので、編集する写真が少ない方に向いています。
無料で利用できる機能
MyEditでは、背景透過・切り抜きとオブジェクト除去の両方が利用可能です。そのほかに、AI商品背景、画像サイズと画質の変更、JPGとPNGに変換、AIピンぼけ・手ぶれ補正、AI画像拡大なども無料で利用できます。
MyEditは、AIを活用した画像編集機能が多く搭載されていて、洋服の着せ替えやインテリアの生成機能などもあります。無料の場合、1日の利用回数に制限がある機能もあるので注意しましょう。
5. Pixelcut(ピクセルカット)
Pixelcutとは、AI技術を活用した無料写真編集アプリです。背景透過はワンクリックで、オブジェクト除去はブラシでなぞるだけでできるため、写真編集初心者に特におすすめです。
しかし、無料で利用できる回数には制限があります。また、無料プランの場合、画像はPixelcutのロゴが右下に付いた状態でダウンロードされます。アプリ(iOS版・Android版)とウェブ版の両方で利用可能です。
無料で利用できる機能
Pixelcutでは、背景透過とオブジェクト除去の両方の機能が利用できます。Pixelcutの背景透過はジュエリーと自動車に特化している機能もあるため、反射や映り込みの多い被写体に対しては、ほかのアプリやソフトよりも高い精度が期待できます。
そのほかに無料で利用できる機能は、AI背景編集、背景ぼかし、画像画質の変更、フィルター、テキスト追加、QRコードの生成、AIライター機能を搭載したマジックライターなどです。無料の場合、1日の利用回数に制限がある機能もあるので注意しましょう。
まとめ
写真編集初心者でも写真の背景を消すのはアプリやサイトを利用すれば簡単にできます。今回紹介した5つの無料アプリは全てAI機能を搭載しているため、より自然な背景透過やオブジェクト除去が可能です。SnapseedはGoogleが運営しているため信頼性も高く、完全無料なので初心者でも安心して利用できるでしょう。
よくある質問
写真背景透過アプリでは何ができる?
被写体以外の背景を全部消すことができます。
iPhoneで写真の切り抜きや背景透過をする方法は?
iPhoneに標準搭載されている写真アプリでは、被写体の背景を簡単に消すことができます。手順は以下のとおりです。
- 写真アプリで画像を開き、被写体を長押しします。
- 1〜2秒後、長押しした被写体が浮かび上がり、輪郭が白く光ります。
- 「共有」>「画像を保存」をタップします。
- 切り抜いた被写体が背景透過された状態で画像として保存されます。
写真の背景を消すのはパソコンでもできる?
Photoroom、MyEdit、Adobe Express、Pixelcutならパソコンでも写真の背景透過やオブジェクト除去が利用できます。
文:Momo Hidaka