商品を販売する際、売り上げアップやブランド構築に欠かせないのがマーケティング活動です。こうした活動にはさまざまな手法がありますが、マーケティングアイディアのひとつとして、ツールの使用が考えられます。この記事では、マーケティングツールの種類やおすすめを紹介します。事業に適したマーケティングツールの選び方も解説しますので、参考にしてください。
マーケティングツールの種類
マーケティング活動の効率化や自動化を図るためのツールであるマーケティングツールには、主に以下の種類があります。
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メール配信ツール:
メールリストに登録したユーザーへの自動メール配信ができるツールで、時間や労力を節約できます。大量のメールを一括で配信したり、配信時間を予約したりすることが可能です。 -
SNSマーケティングツール:
複数のSNSアカウントを一括で管理し、投稿のスケジュール設定やデータ分析を行えます。 -
アクセス解析ツール:
ウェブサイトの訪問数やユーザーの行動などの分析を通じて、サイトの改善点を明確化できるツールです。 -
広告効果測定ツール:
広告キャンペーンの効果を可視化し、費用対効果を評価するのに役立ちます。効果測定だけでなく、広告運用を自動化できるツールもあります。アクセス解析ツールはウェブサイトそのものが解析対象である一方、広告効果測定ツールでは、広告効果に特化した計測や分析が行われます。 -
MA(マーケティング オートメーション)ツール:
成約につなげられる可能性が高い見込み客の獲得や育成といったマーケティング活動を自動化するための機能が搭載されています。 -
SFA(セールス フォース オートメーション)ツール:
営業支援システムと呼ばれており、商談の進捗管理など、営業活動に関する情報を一元管理し、効率化を図るためのツールです。 -
CRM(カスタマー リレイションシップ マネジメント)ツール:
顧客情報管理システムと呼ばれており、顧客情報を管理して顧客満足度の向上や営業活動の効率化に役立てるためのツールです。 -
SEO(サーチ エンジン オプティマイゼーション)ツール:
日本語で検索エンジン最適化を意味する言葉で、SEOツールは検索エンジンでの上位表示を目指すために必要なデータを提供しています。検索キーワードの分析や競合サイトの調査など、多岐にわたる機能があります。 -
ABM(アカウント ベースド マーケティング)ツール:
特定の企業にターゲットを絞ったマーケティング活動をサポートするツールです。ツールに蓄積された企業情報を活かしてターゲット企業を選定し、最適なアプローチを行う際に有効です。
おすすめマーケティングツール13選
メール配信ツール
1. blastmail
blastmailは、HTMLなどの専門知識がなくても簡単にデザイン性の高いメールを作成できるだけでなくメールの効果測定もできる、初心者にもおすすめのメールマーケティングツールです。月額費用の割に配信できるメールアドレス数が多く、コスパにも優れています。
通常ならコーディングが必要となるようなデザインのメールも、blastmailなら簡単に作成できます。用意されている30種類以上のHTMLテンプレートから好きなものを選ぶだけで完了します。アパレル企業や不動産会社、教育機関向けなど、さまざまな事業に適したテンプレートが用意されているため、用途に合ったデザインを選びやすいのも利点です。
さらにblastmailは、効果測定機能も充実しています。メール本文内のURLを測定用に変換し、クリックしたユーザーの情報や日時を追跡できます。HTML形式で配信したメールなら、開封率の計測も可能です。計測したデータをもとに、いろいろなパターンを試して開封率の高い件名を見つけたり、メールが開封されやすい時間帯を探し当てたりすることができるため、マーケティング活動に活かせます。
加えてblastmailでは、宛先不明や受信拒否設定などの理由でメールが届かなかった宛先について、状況を詳細に確認できます。不達となったメールアドレスは自動的に配信対象から除外できます。手動で管理する手間を省けるため、作業時間の削減にも効果的です。
2. Cuenote FC
Cuenote FCは、大量のメール配信を行う事業者に最適なマーケティングツールです。独自技術により毎時1,000万通もの高速配信が可能で、遅延なくスムーズに大量のメールを送信できます。月間76億通以上の配信実績を誇り、配信したメールが迷惑メールとして判定されることを防ぐ機能が搭載されています。GmailやYahoo!などのフリーメールや携帯キャリアアドレス宛てにも高い到達率を実現しています。ネットショップを運営しており、確実に見込み客のもとへクーポンや新商品の情報などを届けたい人には、特におすすめのツールです。
メールマーケティングに役立つ機能が満載で、購入した顧客に対して事前に設定した受注お礼メールなどを送信できるステップメール配信や、開封の有無などの閲覧状況に応じて配信内容を変えるシナリオメール配信などが可能です。一人ひとりに適した内容を届けられます。金融機関や官公庁にも採用される万全のセキュリティ対策を実施しているため、安心して利用できる点もCuenote FCの魅力といえるでしょう。
SNSマーケティングツール
3. Social Insight
X(エックス)やInstagram(インスタグラム)でのキャンペーン応募者データの収集・抽出、当選者への連絡といった機能が充実しているSocial Insightは、インスタマーケティングに力を入れたい事業者や手間をかけずにSNSキャンペーンを行いたい企業におすすめのツールです。当選者に景品を渡すキャンペーンを実施する際、通常なら応募者のデータを1か所に集めて事業者自身が当選者を選ぶ必要がありますが、Social Insight使えば、その業務をワンクリックで実施できます。さらに、応募者への当選連絡文を自動で準備できるため、キャンペーン後の業務を削減することも可能です。そのため、フォロワー数やインプレッション数の増加を見込めるキャンペーンを手間をかけずに実施できるでしょう。
加えてSocial Insightでは、実施したキャンペーンの結果を簡単にレポートとしてまとめることができます。参加者数やユーザーの属性、拡散状況などを分析し、次回のキャンペーンに活かすことができます。
4. SocialDog
SocialDogは、SNS上に投稿したコンテンツの分析機能が優れているSNSマーケティングツールで、コンテンツの改善点を正確に把握するのに最適です。投稿分析機能では、フォロワー数などの基本的な数値の推移はもちろん、フォローした人と日時や、フォロー期間の長さまで可視化できます。投稿ごとの返信やいいね、リポストなどのエンゲージメント数の詳細な分析もでき、時間別のエンゲージメント合計結果やメディア付き投稿の分析も可能です。分析をもとに、どの投稿がどのフォロワー層に響いているか、あるいはどの時間帯の投稿が特に好反応を得られているかを把握し、より効果的なコンテンツ戦略を立てることができるでしょう。
ほかにも基本的な機能としてXやInstagram、Facebook(フェイスブック)など、主要なSNSプラットフォームにおける運用の効率化・自動化に加え、アカウント管理が備わっているため、SNSマーケティングにかかわる業務全般の効率化に役立ちます。
アクセス解析ツール
5. Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、無料でありながらさまざまな分析が可能で、Eコマース向けの機能が充実しているため、特にネットショップやアプリを運営する事業者におすすめのマーケティングツールです。閲覧されたページの合計数であるページビュー数やユーザーの訪問数などの一般的なデータのほか、商品購入回数や平均注文額(AOV)といったEコマース向けのデータを詳細に収集・分析することができます。
さらにGoogleアナリティクスではGoogleの機械学習モデルを活用した分析も可能で、商品の購入やサイトの離脱など、ユーザー行動の予測を実行できます。予測をもとにユーザーのグループを作成することで、該当するユーザーに対して特別な働きかけができるようになります。たとえば、購入しそうなユーザーに特別オファーを送ったり、サイトを離れそうなユーザーに再訪を促すメールを送ったりすることができます。
6. AIアナリスト
AIアナリストは、Googleアナリティクスなどのデータを元にAIがアクセス解析を行うツールであるため、特にGoogleアナリティクスのデータ解析が難しいと感じる場合におすすめです。
Googleアナリティクスでは詳細なデータが得られるものの、データ解析や改善策の立案は人間が行う必要があります。またレポートが複雑で見づらいというデメリットもありました。この部分を解決するのがAIアナリストです。AIアナリストは、アクセス解析や施策の策定に不可欠な指標のみに焦点を当ててレポートを作成してくれるので、マーケティングの現状と課題を一目で把握できます。また、改善策の提案も行ってくれるため、便利です。
広告効果測定ツール
7. アドエビス
アドエビスは、ユーザーの成約までの経路を詳細に把握し、施策のつながりを可視化できるのが最大の特徴で、施策の相乗効果を知りたい事業者におすすめです。何が成約につながったのかを把握するための指標として、ユーザーが最初に接触した広告をカウントする「初回接触」や、成約に間接的な効果があった広告をカウントする「間接効果」といった項目が用意されています。
ユーザーがどの施策を経由して購買に至ったかを一目で把握できるため、効果的な施策のパターンを見つけ出す際に重宝します。効果的なパターンの施策を増やすことで、売り上げを効果的に伸ばすことができるでしょう。たとえば、メールからネットショップに遷移するユーザーより、YouTube広告やTikTok広告を見たユーザーのほうが購入する傾向があるなら、YouTube・TikTokの広告制作に力を入れるべきだと判断できます。
MAツール
8. SATORI
SATORIは、導入や操作が簡単でサポート体制が手厚いため、MAツールを使用したことがない人におすすめのツールです。データベースの設計や導入作業が不要で、サイトに計測タグを埋め込むだけで運用を開始できます。専門スタッフによるサポートも充実しており、オンラインヘルプやセミナー動画、ユーザー会の開催など、学びながらツールを活用するためのリソースを豊富に提供している点も初心者におすすめできる理由です。
またSATORIを使えば、サイトを訪問したものの問い合わせはしていない見込み客、つまり個人情報が明かされていない匿名の見込み客にも働きかけることが可能となります。このため、問い合わせ数や成約率といったコンバージョンの向上が見込めるようになります。
SFAツール
9. Salesforce Sales Cloud
Salesforce Sales Cloudは非常に多機能でカスタマイズ性に優れた営業支援システムで、自社の目的にしっかり合わせて運用していきたい事業者におすすめのツールです。
また、多様な業種で活用できるAI機能が特徴で、顧客との会話内容からAIが重要な情報を抽出し、商談につながる可能性が高い見込み顧客を見つけるサポートを行います。たとえば、AIが商品に対する否定的な意見や競合の動向、価格設定などを考慮し、どのタイミングでアプローチを実施すべきなのか最適なタイミングを提案してくれます。不適切なタイミングでの働きかけを避けられるため、商談の成約率を高めることができるでしょう。
CRMツール
10. Zoho CRM
Zoho CRMは、機能が充実した顧客情報管理システムを利用したいもののコストは抑えたい事業者におすすめのマーケティングツールです。操作が簡単でカスタマイズ性が高く、さまざまな外部サービスと連携ができるにもかかわらず、比較的低価格で利用できます。
Zoho CRMの特長のひとつは、既存顧客だけでなく見込み客についてもわかりやすく管理できることです。見込み客に関するデータ、すなわちスキャンした名刺データ、SNSでのやり取り記録、メール開封やサイト訪問の履歴などを一元管理できます。メール開封やサイト訪問の履歴といった情報は、見込み客の興味関心度としてスコアリングすることも可能なので、スコアに応じて一人ひとりに最適なマーケティング施策を実施できる点も魅力です。
SEOツール
11. ミエルカSEO
ミエルカSEOは、専門知識がなくてもSEO(検索エンジン最適化)に関する効果的な対策を実現できるツールです。AIを活用して、検索順位上位を狙える記事見出しの作成やキーワード戦略の策定、競合分析など多岐にわたる機能を提供しています。この多機能性により、ミエルカSEOはSaaS比較サイト「BOXIL SaaS(ボクシル サース)」運営会社主催のアワード「BOXIL SaaS AWARD 2024」のSEOツール部門で1位を受賞しており、多くの事業者から高い評価を得ています。
12. Keywordmap
Keywordmapは競合分析に長けたSEOツールで、メディアの運営者やネットショップの集客力を高めたい事業者に適しています。Keywordmapの導入によって、メディア立ち上げから1年で25万PV(ページビュー)を達成し、月2件だった問い合わせが月145件に増えた企業が存在します。Keywordmapは世界最大級の日本語データベースを備えているため、こうしたデータを活用して競合サイトの分析を網羅的に実行できます。こうした特徴により、競合分析においてはミエルカSEOにはない機能も存在します。競合サイトへのアクセス状況や流入経路がわかる機能や、検索順位を競合サイトと比較できる機能はその典型例です。また、調査対象のサイト数に制限がないため、自社サイトと競合サイトの徹底的な分析が可能です。
ABMツール
13. スピーダ
スピーダは、信頼性の高いデータや独自のAIエンジンを活用しながら特定の企業をターゲットに定めてマーケティングを行いたい人に最適なツールです。1,000万社以上のグローバル企業データと独自に定義された1,800種類以上の業界分類がデータベースとして提供されるため、ターゲット企業の情報が入手しやすくなり、より効果的なマーケティングを可能にします。企業を検索する際、業界だけでなく、企業規模や増収増益、採用傾向、有価証券報告書、ウェブサービスの利用状況、求人実施状況など、さまざまな条件で絞り込めます。
さらに、既存顧客リストをExcelでアップロードするだけで、受注しやすい企業の傾向を可視化する機能も備えています。成約に至る可能性が高いと判断できる企業だけに集中してマーケティング活動を行うことで、闇雲に活動を行うより高い成果を上げることができるでしょう。
マーケティングツールの選び方
ツール導入目的を明確にする
マーケティングツールを導入する際は、ツールを使ってどのような結果を得たいのかを明確にしましょう。
たとえば、現在行っているマーケティング活動の成果を知りたいなら、広告による成果の把握に役立つ広告効果測定ツールや、コンバージョン率や流入数といった具体的な数値を把握できるアクセス解析ツールが必要になるでしょう。顧客情報の整理に課題があるのであれば、企業名や担当者名、案件の詳細などをもとに、情報を一元管理できるCRMツールが役立つはずです。
マーケティング活動のどの段階に課題があるのかを明確にし、その課題に対応する最適なツールを選ぶことが重要です。
ツールの使いやすさを考慮する
マーケティングツールは、機能だけでなく使いやすさも重要です。操作性が悪ければ、せっかく導入してもなかなか活用できないかもしれません。そのため、実際に使用する担当者が操作しやすいかどうかを導入前に確認することが大切です。有料ツールであれば無料体験版をまずは利用してみましょう。また、導入後のサポート体制や活用支援プログラムが充実しているかも確認しましょう。海外製ツールの場合、日本語マニュアルの有無や問い合わせ後にすぐに返信が来るかどうかもチェックしておく必要があります。
複数のマーケティングツールを使用する場合は、ツール同士が連携できるかどうかもあわせて確認しておきましょう。連携できると、それぞれのツールをさらに便利に使うことができます。たとえば、CRMツールと広告効果測定ツールを連携させることで、顧客がなぜ商品を購入したのかに加えて、広告でどのくらいの効果を得られたのかを詳しく把握できます。得た情報を活かしてターゲット層に対する解像度を高めることで、見込み客の心に刺さる広告を、成果の出やすい媒体で出稿することが可能となります。
まとめ
マーケティングツールにはさまざまな種類があり、メールやSNS、特定の企業に焦点を当てているものから、ウェブサイトや広告効果の分析、営業・顧客の管理に特化しているものまで存在します。
マーケティングツールを選ぶ際は、あらかじめ自社の課題を明確にし、その解決に有効な機能を持っているかどうかで判断しましょう。Googleアナリティクスのように無料で使えるマーケティングツールもあるので、有料ツールを導入する前に課題の解決に役立つ無料のツールがあるかどうかも調べてみることをおすすめします。ただし、機能が優れていても日本語に対応していないなど、使いづらい場合はうまく活用しきれない可能性があるため、使いやすさも大切なポイントです。実際に使用する担当者が操作しやすいか、サポート体制が充実しているかを確認しましょう。可能であれば、無料体験版を活用してから正式に導入すべきかどうかを決定することをおすすめします。
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よくある質問
マーケティングツールとは?
マーケティングツールとは、事業者が効率的にマーケティング活動を行うために使用するサービスのことです。市場調査や競合分析に加えて、商品の販売促進や広告効果の測定、顧客情報の管理、営業の効率化など、さまざまな機能を持つツールが存在しています。
デジタルマーケティングに役立つツールは?
- blastmail
- Googleアナリティクス
- SATORI
- Salesforce Sales Cloud
- Zoho CRM
コンテンツマーケティングにおすすめのツールは?
- Googleアナリティクス
- ミエルカSEO
- Keywordmap
文:Yukihiro Kawata