メルマガを顧客向けに配信したいと思っている方のために、メルマガの基本的な活用方法や、読んでもらえるメルマガの書き方、作り方を徹底解説します。
メルマガとは
メルマガとは、「メールマガジン」の略称で、企業や事業主などが顧客に向けて情報を配信するメール、あるいはマーケティング手法です。
メルマガはメールマーケティングの一種で、購読者リストとコンテンツを用意すれば情報配信できるため、紙媒体や広告サイトなどよりも低コストですばやく最新情報を顧客に届けることができます。
また、購読者は自社に関心の高い顧客であるため、購買履歴やメールの反応履歴に基づいて情報を配信することでより効果的なマーケティングを展開し、集客につなげることもできます。
メルマガにはHTML形式とテキスト形式があります。HTMLメールはHTML言語で作成され、文字装飾や画像挿入や開封率などの効果測定もできる一方、受信端末や設定によっては正しく表示されないこともあります。テキストメールは文字のみで構成されており、通常のメールのように作成できどの端末でも表示されますが、文字の装飾や画像の挿入はできません。
メルマガの平均開封率は?
メルマガの平均開封率は、メール配信サービス数社のデータを基にすると、小売業では20~30%台となっています。ただし、これは企業とメルマガ購読者との関係性やメルマガの内容によっても変動します。開封率には送信頻度、送信時間、件名などが影響し、件名を短くすると開封率が上がる傾向があり、クーポンの配布やセールのお知らせなども開封率に影響を与えます。
なお、開封率はHTML形式であれば以下の式で算出することができます。
開封率=(メールが開封された件数÷配信に成功した件数)×100
メルマガの活用方法
メルマガの活用方法は多岐にわたりますが、主な例は以下の通りです。
新商品やサービスの紹介
新商品、季節限定品などの紹介、再入荷情報など商品やサービスに関する情報を配信します。
顧客に商品情報を伝えることで購買意欲を刺激し、販売促進につなげることができます。
特別セールの案内やクーポンの配布
特別セールや割引イベント、限定クーポンの配布情報など、購読者にとってお得な情報を配信します。
販売促進だけでなく、ウェブサイトや店舗への来訪を促すこともできます。
ニュースレターの配信
最新情報や会社の取り組みなどを購読者に伝えます。
商品への思いや企業としての理念などを定期的に伝えることで、購読者のロイヤリティを高めブランド構築するのにも役立ちます。
教育的コンテンツの配信
商品やサービスの使用方法やヒントなどを配信します。レシピやチュートリアル、トラブルシューティングなどの教育的なコンテンツを提供することで、商品やサービスの利便性を高め、企業への信頼感や安心感も高めることができます。
購読者がまだ持っていない商品などの場合は、利用イメージが具体的になり購入につながる可能性もあります。
イベントへの招待
特別な交流イベントやウェビナー、ワークショップのお知らせや招待メールを配信します。
購入履歴などから顧客に合ったイベントへ招待することで、購買体験や顧客満足度を高め企業とのつながりを深めることができます。
ECサイト向けメルマガのテンプレートと書き方
効果的なメルマガを送るコツは、読者の興味を引く内容と構成を意識することです。読まれるメルマガにするにはデザインも大切ですので、HTML形式の場合は画像やフォント、テキスト形式の場合は罫線などを使い、読みやすく目を引くものにすると良いでしょう。
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ECサイト向けメルマガの書き方
1. ターゲットの設定
メルマガ作成時はターゲット設定やペルソナ設定が重要です。メルマガを通じて誰に何を伝えたいのか、目的を明確にしましょう。
ターゲット設定には、購読者の年齢、職業、家族構成などの具体的な情報を含めます。例えば、20代女性、キャリアアップを考えるビジネスパーソン、乳幼児の親など具体的にイメージし、ターゲットに何の情報を伝えたいかを考えます。
2. 件名・タイトルの決定
メルマガのタイトルは、購読者がメールを開くかを左右する重要な要素です。文字数は20〜40文字以内程度で書くようにします。
期間が限られているものや具体性、有益性のあるタイトルが効果的です。例えば、「7日間限定!人気家電が最大50%OFF」といったタイトルは、有益性もあり期間も限られているため読者の行動を促します。また、デバイスによって表示が途切れてしまうことを考慮し、重要なキーワードは前半に配置しましょう。
3. 記事の作成
記事の基本構成は以下の通りです。
- ヘッダー
- リード文
- 本文
- フッター
ヘッダーはメルマガを開いたときにスクロールなしで目に入る部分です。会社名やタイトルを罫線や記号などで囲んで装飾し、明確にしましょう。
リード文では本題に入る前のあいさつや記事の概要を伝えます。
本文では、読者にとって有益な情報を簡潔かつ明瞭に伝えます。人気商品情報や利用方法など読者が知りたい内容にしますが、一回のメルマガで一つのテーマを扱うようにします。そうすることで、情報がまとまってわかりやすくなり、読者の読む負担が減り最後まで読んでもらえる可能性が高まります。
本文作成時のポイントは以下の通りです。
- 情報の誤りがないか確認する
- 文章が長すぎず、情報量が多すぎないように配慮する
- 読み手のメリットを明確にする
本文内のタイトルを罫線で区別したり、適切な改行をして読みやすくなるように工夫したりしましょう。スマホでも読みやすい構成にすることも大切です。特に罫線や記号での装飾は一行20字以内に収めるようにすると、レイアウトも崩れません。
フッターはメールの最後の部分で、配信元のショップ名、ホームページや連絡先、SNSアカウント名、メルマガの配信停止方法を箇条書きで入れましょう。
フッターはメルマガごとに変えず、基本的には毎回同じものを入れます。
Shopify(ショッピファイ)でメルマガを配信する方法
1. Shopifyメールをインストール
ShopifyのアプリストアからShopifyメールのアプリをインストールします。
「アプリを追加する」ボタンを押すと、インストールが始まります。
2. メールアドレスの設定、入力
アプリのダウンロードが完了したら、購読者にメールを送るときの差出人メールアドレスを設定します。
- 管理画面から「設定」を選択
- 「一般設定」をクリック
- ストア詳細のセクションでメールアドレスを変更
- 「保存」をクリック
メールアドレスは独自ドメインを利用することで、ブランディングや信頼性を高めることができます。
3. メールの作成(キャンペーンの設定)
メールアドレスの登録が終わったら、キャンペーンとなるメールを新規作成します。
- Shopifyで「マーケティング 」からメールに移動
- 「キャンペーン作成」をクリック
- 「Shopifyメール」をクリック、メールテンプレートを選択
- 「受取人フィールド」をクリック、お客様グループリストを選択
- メールの件名を入力
- (オプション)プレビューテキストを入力
- 件名の後ろに表示されるテキストを変更
4. 本文、デザインの作成
メール本文やデザインを作成します。
作成するのは、画像やロゴ、ストア名やヘッダー部分です。
- テキストとリンクを入力
- Shopifyストアから画像を選択
- Shopifyストアの商品にリンクを追加
- フッターにショップの住所やSNSリンク、電話番号などを入力
5. 配信日時の設定を行う
配信日時の設定を行います。指定日時で送信する場合は編集画面右上の「確認」から配信スケジュールの設定ができます。「送信」ボタンをクリックすると、すぐに送信できます。
Shopifyでメルマガ配信するのにおすすめのアプリ5選
Shopifyメール
ShopifyメールはShopifyが公式で提供しているメルマガアプリで、非常にシンプルで使いやすいのが特徴です。Shopifyメールは、管理画面から数回クリックするだけでメールを購読者に送信できたり、ロゴ、商品画像、商品説明、価格などをストアから自動読み込みできたりします。また、条件に合わせて分類した顧客のみにメールを送ることができるセグメント機能などもあります。
Klaviyo
Klaviyo(クラビヨ)は、購読者の属性にあわせて細かい配信設定が可能なアプリです。Shopifyと連携するとデータを収集でき、データを分析することで効果的なメルマガが配信できます。登録時の配信、再入荷やカゴ落ちのお知らせ、価格変更など、さまざまな場面のテンプレートが用意されています。また、月500件まで無料でメルマガが送信できます。
Omnisend Email Marketing & SMS
Omnisend(オムニセンド)は、配信プロセスを自動化できるため、Shopifyでより気軽にメルマガを配信できるアプリです。月500件まで無料でメルマガの配信が可能で、メルマガだけでなく、受注やキャンセルの確認メールの送信にも対応しています。24時間365日のメールおよびライブチャットサポートは、無料ユーザーでも利用可能です。
Privy ‑ Pop Ups, Email, & SMS
Privy(プリヴィー)は、Shopifyのストアに訪問したユーザーに、メルマガ登録を促すポップアップを表示することができるアプリです。また、メルマガ配信の基本的な機能は全て利用でき、サンクスメールやフォローメール、リマインドメールなどを自動的に配信することができます。
Mailchimp
Mailchimp(メールチンプ)は、2018年に公開されたAIが搭載されたメールマーケティングサービスです。メールの一斉配信や購読者の属性に合わせたメールを送ることができます。2パターンのメールをランダム配信して効果を測定するABテストや、開封率やクリック率などのレポート機能も搭載しており、日本でも利用者の多いメール配信ツールです。CSVファイルも読み込めるシステムにより、多数の外部ツールと連携可能です。
メルマガ運用の注意点
メルマガ配信を適切に行うためには「特定電子メール法」の理解と遵守が必須です。この法律は、迷惑メールの防止と良好なインターネット環境の保持を目的としています。以下が、メルマガ配信時における重要な法的要件です。
オプトイン規制
特定電子メール法において、広告や宣伝を目的としたメールの送信には受信者の事前の明示的な同意(オプトイン)が必要です。購読者が自発的に同意することでのみ、メルマガを送信できます。
配信停止手続きの提供
購読者がいつでも配信を停止(オプトアウト)できるようにすることも求められています。そのため、メルマガには必ず「配信停止の手続き」の方法を明記しなければいけません。
表示義務の遵守
メルマガを送信する際には、送信者の氏名や住所、連絡先、苦情受付窓口など、特定の情報の表示が義務付けられています。これにより、購読者は送信者が誰であるかが識別でき、信頼性を確保することができます。
以上のポイントを踏まえた上でメルマガを作成、配信することで、法令を遵守してメールマーケティングができるようになります。
まとめ
メルマガは購読者とのコミュニケーションを強化し、情報提供したり販売促進したりするなどさまざまなメリットを持つマーケティング手法です。また、メルマガの内容によって競合との差別化やブランド構築が図れます。ぜひ今回紹介したポイントを参考にして、効果的なメルマガを作成してみてください。
よくある質問
メルマガ配信とは?
メルマガ配信とは、企業が顧客に向けて定期的にメールを配信することです。
メルマガの平均開封率はどのくらい?
メルマガの平均開封率は、メール配信サービス数社のデータを元にすると、20~30%台となっています。
どれくらいメールが見られているのか確認する方法は?
HTML形式のメルマガであれば開封率で計算することができます。また、Shopify(ショッピファイ)メールなど分析機能がついているメルマガ配信ツールやサービスもあるため、そういったものを利用することで、メールを開いた購読者、クリック率、特定のアクションをした購読者、またはメールが届かなかった購読者を特定し、詳細を分析することができます。
メルマガ配信は無料?
Shopifyメールの場合、毎月10,000通まで無料でメールを送信できます(Shopifyベーシックプラン、プレミアムプラン、Shopify Plusプランを利用している場合)。10,000通を超えた場合は、1,000通の配信ごとに1ドル課金されます。
文:Kyo Yamada