Shopify(ショッピファイ)は、初心者でもネットショップを立ち上げられるeコマースプラットフォームです。この記事では、Shopifyの導入方法や基本的な設定、さらに便利な機能などを紹介します。
Shopifyの使い方:ネットショップの開設方法
1.Shopifyアカウントの登録
Shopifyアカウントの作成方法は簡単で、メールアドレスを用意するだけで始められます。具体的な手順は、下記のとおりです。
- まずは、Shopify公式サイトへアクセス
- 「無料体験を始める」をクリック
- メールアドレスとパスワードを入力して、「Shopifyアカウントを作成する」をクリック
- 販売方法などいくつかのアンケートに回答して、「開始する」をクリック
これで、あなたのショップの管理画面が開きます。アカウントの登録後は登録したメールアドレスに確認メールが届くので、必ず認証を行いましょう。
2.デザインテーマの設定
次は、管理画面の「オンラインストア」>「テーマ」をクリックし、ショップのデザインを決定します。「テーマ」を設定しておけば、トップページから各商品の販売ページまで、自動的に統一感のあるデザインを適用することができます。
ブランドのコンセプトやショップの雰囲気に合ったテーマを見つけられるように、公式のテーマストアでは無料のものから有料のものまで多彩なラインナップを揃えてあります。使いたいデザインが決まったら、「カスタマイズ」をクリックするとテキストの変更やボタンの追加など、細かな設定を行うことができます。HTMLやCSSの知識があれば、独自のテーマを作成することも可能です。
3.商品情報の追加
商品を登録するには、管理画面の左側メニューに表示された「商品管理」>「商品を追加」をクリックします。
商品情報として以下の項目を入力できます。ただし、すべての項目を入力しなくても商品を登録することはできます。
- 商品のタイトル
- 説明
- タグ
- 「公開中」等のステータス
- 画像や動画
- 価格
- 在庫
- 配送
- サイズや色などのバリエーション
商品情報を入力し終わったら、「販売チャネル」を選択し、ステータスを「公開中」にして、右上の「保存する」をクリックします。
さらに、ネットショップの利用者が商品を探しやすくするための「コレクション」を作成することも可能です。たとえばファッションアイテムを販売するショップなら、「Tシャツ」「パーカー」「帽子」などのコレクションを作成して商品を登録しておけば、消費者が欲しい商品の一覧を見ることができます。商品の登録は、1つずつ手動で行えるほか、タグや価格の条件が一致するものを自動で追加していく設定も可能です。コレクションの作成は「商品管理」>「コレクション」>「コレクションを作成」から行なうことができます。
在庫情報を設定しておけば、販売に応じた在庫管理を自動化することができます。設定方法は「商品管理」>「在庫」と進み「在庫を追跡する」にチェックを入れるだけです。
4.ネットショップに必要なページの作成
ネットショップの運営には、特定商取引法に基づく表記などのページが必要です。管理画面から「オンラインストア」>「ページ」>「ページを追加」をクリックすることで、これらの情報を記載するためのページを作成できます。
特定商取引法に基づく表記は、事業者と消費者のトラブルを未然に防ぐために明記することが、日本の法律で求められています。ほかにも、会社名や所在地、連絡先などの事業者情報に加え、プライバシーポリシーや返金ポリシー、配送ポリシーなども記載する必要があります。これらの情報は、管理画面左下の「設定」ボタンから、「ストアの詳細」「ポリシー」などのメニューを選択すると設定しておくこともできます。
5.メニューの作成
メニューの設定は、管理画面の「オンラインストア」>「メニュー」で行います。「メインメニュー」や「フッターメニュー」を選択し、「メニュー項目を追加する」をクリック、画面右側に表示される入力欄から「名前」(メニューに表示される項目名)、リンクを設定し、「追加する」ボタンをクリックすれば、作成したページへのリンクをメニュー上に表示させることができます。
6.配送関連の設定
管理画面の「設定」>「配送と配達」をクリックすると、配送関連の設定を行うことができます。「基本の配送料」からは、注文画面で表示させる送料を設定します。また、複数の送料メニューを作成したり、国内・海外などの配送エリアごとの表示を設定することも可能です。なお送料の設定は、売り上げに直接影響を与えるので、慎重に行う必要があります。Shopifyの場合、送料はデフォルトで全国一律に設定されていますが、送料の高くなる北海道や沖縄など、地域別に送料を設定することもできます。平均注文額を高めるために、5,000円以上で送料無料といった送料設定も効果的です。このように、利益のことを考慮した送料の計算も意識しましょう。
このほか、配達予定日の表示や、「店舗受取」「ローカルデリバリー」(近隣地域への直接配達)などの有効化設定も行なうことができます。
7.決済関連の設定
「設定」>「決済」をクリックすると、決済関連の設定を行えます。Shopifyの決済方法では、クレジットカード決済はもちろん、代金引換や銀行振込、ワンクリックの購入を実現させる「Shop Pay」など、多彩な選択肢が用意されています。なお利用する決済方法によっては、手数料が発生する場合があるため事前に確認しましょう。
Shopifyの便利な機能
マーケティング機能
Shopifyには、ネットショップの売り上げアップや集客をサポートするさまざまなマーケティング機能が備わっています。たとえば、メールマーケティング機能では、ターゲット顧客にカートに入った商品の購入を促すメールを自動配信できます。また集客のための機能として、Facebook広告やGoogle広告との連携も可能です。自動的に広告を作成して配信できるため、手間をかけずにより多くの顧客層に商品の存在を認識してもらえます。
アプリ機能
Shopifyアプリは、ネットショップの運営をさらに便利にする機能を追加してくれるものです。マーケットプレイスとの統合管理やSNSとの連携、カスタマーレビュー機能の追加、SEOにその他のマーケティングなど、無料から有料まで8,000種類以上のアプリがShopify App Storeに揃っています。いずれも厳しい審査基準をクリアしているため、安心して利用していただけるでしょう。サイトのニーズに合わせてアプリを導入していくことで、ネットショップの運営がどんどん楽になるカスタマイズが可能です。
メッセージ機能
Shopifyのメッセージ機能は、利用者がShopアプリからショップの運営者と直接、チャットができる機能です。困っている利用者をチャットを通じてサポートできるため、顧客満足度や成約率の向上につながります。ただし、この機能はあくまで利用者をサポートするための機能であり、購入を促すように販売者側から働きかけられるシステムではないことは理解しておきましょう。
ブログ機能
Shopifyでは、売り上げや集客力を高められるブログを追加することも可能です。ブログを通じて新着アイテムやショップのコンセプトなどを届けることができ、定期的に発信することで商品への興味や購入意欲を高める効果が期待できるでしょう。
越境ECのサポート機能
- 50の言語と130ヶ国以上の通貨に対応
- 世界各国の100種類以上の決済方法に対応
- 海外発送の手続きを簡素化
Shopifyには、海外向けにも商品を販売する越境ECをサポートできる上記の機能が備わっています。ECサイトを開設する際にアプリを使った自動翻訳も可能で、設定しておけば利用者の言語に合わせた翻訳ページが表示されるようになります。カート画面やストアの基本部分は、言語設定だけで他言語に対応できるようになり、通貨も自動でレート変換されるため、普通ならハードルが高く感じられる越境ECも簡単にスタートできます。決済方法も豊富で、PayPalなどの大手決済サービスはもちろん、各国のローカル決済手段にも対応しています。
さらに、送料の設定や関税、税金の計算も簡単で、たとえば、アメリカのように州ごとに異なる税率も自動で管理できます。商品のサイズや重量を入力するだけで、国内外の運送会社の料金を比較したり、送り状やインボイスを発行したりすることも可能です。
サブスクリプションサービス
Shopifyでは、定期購入などのサブスクリプションサービスを販売することもできます。日本では新聞や雑誌の定期購読が一般的で、最近では音楽や動画、漫画などのデジタルコンテンツのサブスクリプションも増えてきました。
Shopifyを通じて、洗剤などの消耗品や利用者の好みに合わせた化粧品や食品などを定期的に配送するサブスクリプションサービスを提供してみましょう。
外部サービスとの連携
Shopifyは、SNSをはじめとする外部サービスとの連携も可能です。外部サービスをうまく活用することで、商品をより多くの消費者に認知してもらい、集客力を高めることができます。
たとえばインスタグラムと連携すると、商品の購入リンクを設置した商品写真を簡単にシェアできます。WordPressとの連携を利用すると、ブログを活用して検索エンジンからの集客を高めることが可能です。
加えて、Amazon(アマゾン)や楽天市場といったマーケットプレイスとの連携も可能です。在庫や配送を統合管理できるマルチチャネルでの販売が簡単に実現するため、大きな手間をかけることなく収益をさらに高められるでしょう。
まとめ
Shopifyは、商品情報の追加や配送や決済の設定、サイトデザインのカスタマイズなどを初心者でも簡単に行えます。豊富なマーケティング機能・アプリ機能の活用や外部サービスとの連携は、ネットショップの運営を効率化し、売り上げや集客力を高めることにつながります。越境ECのサポート機能も充実しているため、販売チャンスを世界中に広げてみるにも最適なプラットフォームです。Shopifyでは無料体験も実施していますので、ぜひその使い方をお気軽に試してみてください。
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よくある質問
Shopifyはなぜ人気があるの?
Shopifyは、専門知識がなくても簡単にECサイトを作成できるため、世界各国で人気を博しています。決済方法や対応言語も豊富で、国内外での取引に対応できることも理由の一つです。
Shopifyでサイトを制作する費用はいくら?
Shopifyには「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」「Plus」の4プランがあり、ベーシックプランなら月額3,650円でサイト開設が可能です。プランの詳細は、Shopifyの料金プランをご覧ください。ECサイト構築ツールを使うと、100万円以上かかることもあるため、Shopifyを使えば比較的低額で済むといえるでしょう。
Shopifyにマニュアルはある?
Shopifyには公式サイトからダウンロードできるガイドブックがあるので、マニュアルとして利用できます。また、Shopifyヘルプセンターを利用すれば、困りごとの解決に役立つヒントや詳細な説明が見つかるでしょう。
文:Yukihiro Kawata