絵文字はSNSやメールのためだけにあるのではありません。いくつかのブランドは、ビジネスを促進するために、絵文字を自社サイトのSEO戦略に取り込んでいます。ピザ配達店からアパレルショップまで、検索結果に表示される絵文字によって、ブランドはトラフィックを増加させています。
一度はGoogleから消えた絵文字SEOですが、最近復活し、盛り上がる気配を感じさせます。SEOのトレンドにおいて一歩先を行きたいなら、ぜひこの方法をお試しください!
なぜ「絵文字SEO戦略」が必要なのか?
1. 検索数が多い
検索ボリュームが保証されているなら、絵文字SEO戦略を実行することは良い選択となります。 Keywords EverywhereのようなChrome拡張機能を使うと、絵文字を検索バーに追加することができ、絵文字キーワードへの検索ボリュームがあるかどうかを突き止められます。もっとも検索されている絵文字SEOの例として、ピザ配達について見てみましょう。
テキストベースのキーワードとして、「pizza near me」を使用すると、毎月335万件の検索があることがわかります。わたしが拠点としているトロントのピザチェーン店のリストとコンテンツが出てきて、それらを見ることができます。検索結果のコンテンツは、明らかにわたしのいる場所に合わせてパーソナライズされています。
では、単語の代わりにピザの絵文字を使って検索すると、どうなるでしょうか。
まずはじめに気づくのは、検索数が低下していることです。しかしここで重要なのは、月に63,000件の検索数は十分なトラフィックだということです。それにもしあなたが小さなピザ屋さんのオーナーなのであれば、メタタイトルに絵文字を入れれば、入れていないときよりもランク上位になる可能性があります。また、絵文字を入れたページと入れないページをもたせることで、両方のワードにランクさせる最適化も実現できます。
近所の店舗リストが変わっていることにも気づくでしょう。少し調べた結果、これらのローカル店舗はSEOやリスティングページに絵文字を使っていないことがわかりました。そのため、絵文字を使わなくても、絵文字リストのランクを上げることはできるかもしれません。しかし、競争優位性を得るためには、ピザ絵文字を使うほうが良いでしょう。
2. 検索リストで目立つ
お客様が絵文字を使って検索するとき、とくに買い物をしたいときは、「購入、オンライン、ショップ」などのワードを使うと思います。ドレスを探す際に、わたしたちはドレスの絵文字を使うことにしました。すると、見てください! 検索結果の4番目にドレスの絵文字が出てきました。Eコマースのブランドが、実際に絵文字SEOを実践しているという証拠です。
テキストベースの中でグラフィックが使われている唯一の箇所なので、検索結果を見ているときにあなたの目はこの絵文字に引きつけられるでしょう。その結果、クリックされる率も高まります。この記事の後半のセクションでは、SEOのエキスパートたちが、絵文字を検索と広告に使用することでいかに高いCTRを得るかを語ってくれます。
もう一つ気づくのは、Showpoがリスティングに絵文字だけを使っているわけではないということです。「パーティードレス」や「クラブ用ドレス」といったキーワードも見えます。つまり、彼らはテキストベースのキーワードからもトラフィックを得ています。
3. 若年層を惹きつける
絵文字はすべての状況下において、効果的だったり適切だったりするわけではありません。もしあなたが葬儀社で棺を販売しているなら、棺の絵文字を使いたいとは思わないでしょう。絵文字は若い年齢層には効果的です。また、ブランドの遊び心を表現するのにも効果があります。Habit Nestが、若者向けWEBコンテンツのSEOに絵文字を使っているのを見てみましょう。
メディテーション関連の検索をする際、語句の代わりに絵文字を使ってみます。見てわかるとおり、YouTubeビデオを含め、トップの検索結果は絵文字を使っていて、高いランクを獲得しています。また、お気づきのようにHabit Nestが上位2つのポジションをとっています。いいですね。
ソーシャルメディアに目を向けると、彼らのコミュニケーションに絵文字が大きな役割を占めていることがわかります。インスタグラムのプロフィールには、たくさんの絵文字とポップなカラーが満載です。コンテンツのほうでは、若い層に人気のバイラルコンテンツを積極的にシェアする傾向にあります。ですから、彼らが絵文字をWEBサイトに追加していることは、彼らのオーディエンスのデモグラフィックに対して意味あることなのです。若年層をターゲットにするなら、絵文字はオーディエンスとのコミュニケーションに非常に役立ちます。
4. YouTubeのタイトルに絵文字を入れてもランクが上がる
絵文字をSEOに使うことでWEBサイトのランクアップが見込めることはわかりました。次に重要なことは、ほかのメディアでも同じ戦略が有効かどうか認識することです。絵文字キーワードで、FacebookとTwitterの投稿のランクが上がることをわたしたちは見てきました。YouTubeのタイトルに絵文字を入れるとどうなるか、少し見てみましょう。「男性スーツ(絵文字のスーツ)」で検索してみると、YouTubeのビデオが上位に出てきました。そのビデオでは絵文字が2回使われています。そのうち、アルゴリズムの変更によって、メタ情報への絵文字の詰め込み過ぎ対策がとられるかもしれません。しかし現状では、同じ絵文字を2回使うことによってランクが上がっていることが確認できます。
5. 絵文字の名前の価値を上げる
次の数年は、過去のブランドを絵文字キーワードにちなんだ命名には使わないください。なぜなら、もしあなたのブランドが絵文字の名前と同じキーワードをもっているなら、特定の絵文字が検索されたときにあなたのページが上位ランクされる可能性が高まるからです。
「バラ 結婚式」というテキストベースの検索をかけるとどうなるか見てみましょう。最初の検索結果は、結婚式で使うバラの画像ですね。次のリストは、人気のあるPinterestのボードで、結婚式で使われるバラ(ケーキ、ブーケ、ブートニエールなど)の素材が集められています。
では、バラの絵文字を使って同じことをするとどうなるでしょうか。トップの結果は、バラというワードが入ったブランドの近場のブライダルショップでした。検索ボリュームの違いにも目を向けてみましょう。これは、ブランドが飛び込むべき完璧な絵文字キーワードのチャンスといえます。ビジネスネームにバラが入っているブランドであれば、とくに。
6. 小さなブランドのランクが上がる
絵文字SEOはトレンドとなっていますが、比較的新しい手法です。利点は、あなたが小さいビジネスのオーナーなのであれば、競合が比較的少ないこのSEOのフォームで、WEBサイトトラフィックを急増させられることです。高い検索数を誇る「👠 buy」というキーワードを見てみましょう。月間で246,000の検索があります。見てのとおり、リストのトップには絵文字が使われていて、人気の検索ワードであることがうかがえます。
指摘しておきたい興味深い点は、リストのトップは定評のあるシューズブランドではない、ということです。事実、彼らのFacebookページの「いいね」は286で、Instagramのフォロワーは25,800です。つまり、市場でもっとも大きなブランドではありません。しかしSimilarWebで見てみると、彼らの最大のトラフィック流入元は検索なのです。データはないものの、この検索キーワードがもたらしている影響は大きいはずです。
7. 絵文字ドメインが流行に
絵文字ドメインが長期的なトレンドになるかどうかはわかりませんが、i❤.wsのような絵文字ドメインを購入することが可能になっています。あなたのブランドが若年層オーディエンス向けか、もしくは絵文字ドメインを使うことがブランドの観点から理にかなっているのであれば、絵文字を含んだドメインを考えてみてもいいでしょう。利点は、検索結果のリストの中で目立てることです。マイナス点は、サイトに訪問したときの実際のURLが絵文字とは無関係なことです。検索結果にどう反映されるか、見てみましょう。
Chromeでは、URLがこうなります。
Safariで見てみると、絵文字がURLに含まれています。
絵文字ドメインのトレンドが大きくなっていけば、Chromeのようなブラウザも、テキストではない絵文字版のドメインを表示するようになるでしょう。トレンドはまだ初期段階なので、あなたがこの波に乗ることを考えているなら、すぐにでもスタートしたいはずです。
8. Googleによる再導入
数年前、Googleは一度、絵文字を検索結果に導入しました。しかし2015年に、検索リストからそれらを削除することを決めました。そして、また絵文字を取り戻したのです。
多くのブランドがこの動きのアドバンテージを利用しています。絵文字が再導入されてから2〜3年が経過し、ブランドは徐々に絵文字をコンテンツに統合し始めています。今後数年のうちに、小規模なブランドがキーワード検索における絵文字の検索結果を乗っ取り、大手の競合を押しやることになりそうです。
Googleによる絵文字再導入の決定は、これが一時的な流行ではなく、SEOにおいて絵文字を使うことが広まり長期的なトレンドになっていくことを示しています。ですから、絵文字SEO戦略を始めたいなら、Googleがその流れに乗っていることを知っておいてください。
9. CTR(クリックスルー率)を向上させる
絵文字を使うことでCTRが上がるデータがあるわけではないのですが、多くのSEOエキスパートはその効果があると報告しています。メタタイトルや説明文に絵文字が使われていると、対照的に目を引きます。絵文字に気づく人が多いのであれば、クリックする可能性が高いことはうなずけます。
何人かのSEOエキスパート(後半のセクションで彼らの意見を読むことができます)が、広告に絵文字が含まれる場合もクリック率が上がると言っています。あなたがGoogle AdWordsによっておもなトラフィックを得ているなら、絵文字を使うことでより多くのクリックとトラフィックが得られそうです。
10. ローカルで意味をもつ絵文字SEO
Googleで少し検索すると明白にわかりますが、絵文字はローカルSEOにおける可視性を高めます。オンラインでしか商品を売らないなら、ローカルSEOはあまり役立たないかもしれません。しかし、あなたが物理的な店舗ももっているなら、絵文字がトラフィックが増加する可能性があります。とくに、前述の「バラ」の例のように、ブランド名に絵文字ワードが含まれる場合には。
「カナダ(絵文字)shop」と検索すると、トロントをベースにした近場の店舗リストが見られます。これらのブランドは、リスティングに絵文字を含むわけではないですが、絵文字キーワードでランクインするメリットを享受しています。ローカルなリスティングよりも競争上のアドバンテージを得る方法は、インパクトのある絵文字を店名に含めることでしょう。
または、前述したように、ブランド名に絵文字と同じ意味のワードを入れることでしょう。たとえば「lululemon」の代わりに、「lulu🍋」とするような。
11. 商品ページの可視性を高める
ここまで、絵文字が検索やソーシャルメディアやGoogle 広告において、あなたのランクポジションを高くするのに役立つことを示してきました。しかしそれだけではなく、絵文字は画像検索において、商品ページのランクを上げるのにも使えるのです。「👠buy」で画像検索すると、商品ページに絵文字を含んだリストが出てきます。
通常、商品ページを上位ランクさせるのはとてもむずかしいことです。ただし、商品写真とリストが画像表示されると見やすさが向上します。商品にもっと注目を集めたいなら、関連性のある絵文字を商品ページのメタタイトルに含めるのがいいでしょう。まだ競合が少ないので、売り上げにつながるコンバージョンフォーカスなキーワードで、ランクを上げる大きなチャンスをあなたは手にしているのです。
海外の7人のSEOエキスパートが語る【なぜ絵文字をSEOに使うべきなのか?】
Charlotte Ang (Traffic BeesのSEOコンサルタント)
「絵文字はわたしたちが自分らしい感情表現をするのに使われています。ブランドが絵文字を使うと、人間らしさや温かみ、つながりを感じさせます。結果として、絵文字をSEO記事に用いると、いかにもSEOっぽい機械的な感じではなく、パーソナルな印象をもたらします。SEOを、サーチエンジンが望むものを表示するためのゲーム的プロセスと捉えるのは誤解です。理解されていないのは、サーチエンジンの主要な目的はロボットではなく人が望むものをパーソナライズして届けることだという点です。」
Ryan Underwood (YourParkingSpace.co.ukのデジタルマーケティングエグゼクティブ)
「絵文字の使用はWhatsAppやMessengerで友達に送るメッセージに限られません。リッチスニペットやAdWordsのタイトルに絵文字を使うとCTRの向上が見られます。WEBサイトのタイトルに絵文字を入れると、ほかの退屈なサイトよりも目立ちますし、パーソナリティを付加することができます。検索者は無意識のうちに、検索結果に出てくるあなたのAdWordsタイトルに心地よさやつながりを感じるのかもしれません。絵文字を使うことで、30%のCTR向上やクオリティスコアと広告ポジションの上昇が見られました。」
John Tucker(SEOコンサルタント)
「絵文字は、CTRとオーガニック検索順位を改善する優れた方法です。母の日やイースターなど、季節やイベントに関した絵文字はCTR向上につながります。92%の人はオンラインで絵文字を使い、多くの人がモバイルデバイスで検索をするのですから、潜在顧客にとってなじみのある方法によって目立つことは、ビジネスの成長に不可欠でしょう。」
Winston Nguyen (Bitcoin SEO創設者)
「わたしはクライアントワークで絵文字をURLに使うことを試してみました。こちらが、Google検索したときのFirefoxでの表示です。
メリット:検索結果でいい感じに表示され、CTR改善の可能性があります。
デメリット:URLがひどいですね。星マークの代わりに、“%E2%AD%90” と表示されます。だれかがあなたのサイトをリンクするときに間違ったリンクを貼ってしまうミス(実際に2、3回ありました)が起こるという問題があります。こうしたミスを認識して正しいURLにリダイレクトすることが重要です。」
Jeff Moriarty (Moriarty’s Gem ArtのSEOエキスパート)
「わたしたちはラグジュアリーなジュエリーの仕事をしていて、広告、とくにEメールやプッシュ通知、SMSでそれらを使います。絵文字を使う最大の理由は、たくさんの文章を書かなくてもわたしたちが何者かというメッセージを伝えられることです。2つめの理由として、競争相手より際立つ助けになります。また、絵文字をテストしたいくつかのサイトでは、少しCTRが高くなっていて、素晴らしいですね。なので、無料の検索でも有料の広告でも、絵文字を使うとポジティブな結果ばかりです。」
Araks Nalbandyan(SEOデジタルマーケティングエキスパート)
「個人的には、絵文字を使ってオーガニック検索のCTRを上げています。メタタイトルと説明文に絵文字を含めることを試してみてください。同じページに出てくるほかのサイトとは違って見えます。ですが、絵文字がコンテンツとマッチしていて、Googleから受け入れられるものであるよう気をつけてください。通常は、矢印やチェックマークなど似た絵文字があります。最近このメソッドをクライアントのために試してみたら、1ヶ月でCTRがほぼ2倍になりました。ぜひやってみることをおすすめします。」
Rodney Brazil (Komalty創設者)
「絵文字はことばのようなもので、違った文化のなかで複数の意味をもちます。何百もの言語のネイティブスピーカーがみな同じ絵文字を使用しているという点では、絵文字は通常言語と異なっています。もしあなたのビジネスが特定の絵文字を直接的な関係性をもっているなら、オンライン上でのメッセージを普遍的に魅力的なものにします。戦略的にそうしたシンボルをサイトに加えることで、世界中の検索結果にサイトを表示させることができます。すべてのユーザーに表示されるわけではない絵文字の使用は避け、標準的なバージョンのものを使うよう気をつけてください。」
結論
絵文字SEOは新興のトレンドかもしれませんが、探求する価値があるものです。高いCTRの実現から、スモールブランドの成長促進まで、絵文字はメタタイトルや説明、それにURLを目立たせることで検索や広告のなかであなたの可視性を高めてくれます。人気のある記事に絵文字を取り入れることで、検索からの恒常的なトラフィックソースを築くため、ランクアップの促進が図れます。早い段階でこのトレンドに乗れば、大手ブランドさえ押しのけることができるでしょう。しかも、多額の予算がなくても大丈夫なのです。即効性のあるSEOを探しているなら、次はぜひ絵文字を試してみてください!
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