この記事ではオンライン講座の作り方について、手順を追って詳しくお伝えします。また、講座を作るメリットについても解説しています。オンライン講座を開講して在宅で収入を得たい人は、ぜひ参考にしてみてください。
オンライン講座の作り方10ステップ
1. 講座のテーマを決める
市場のニーズがあり、専門知識や熱意、経験のある分野をテーマとするのがおすすめです。以下に当てはまるような分野であれば、オンライン講座を作りやすいでしょう。
受講者には正しいやり方や知識だけでなく、つまずきやすいポイントや間違いやすい箇所なども教える必要があります。実際に自分が経験している分野であれば、受講者が知りたい内容を網羅した講座を作れるでしょう。
ただし、熱意や専門知識があっても、市場のニーズが低いと講座を販売しても収益にはつながりません。以下に当てはまれば、一定の需要を見込めると言えるでしょう。
- 成長している業界に関係するテーマである
- 検索ボリュームの多いテーマである
- 競合に類似の講座がある
テーマ選びに失敗すると、期待するほどの利益や副収入を得られないので注意が必要です。
2. ターゲットを決める
以下のような切り口に基づいてターゲットを絞り込み、具体的な人物像(ペルソナ)を設定しましょう。
- 年齢、性別
- 職業、収入
- 家族構成
- 講座を受講する目的
- 悩み
- 趣味や興味・関心
- 講座内容の習熟度
子ども向けか、大人向けかなど大まかな分け方にするのではなく、具体的な人物像を決めることで受講者に寄り添った内容の講座を制作しやすくなります。
たとえば、オンラインのヨガ教室を開く場合、以下のようなペルソナを設定するのも良いでしょう。
- 年齢、性別:40代女性
- 悩み:体型の崩れが気になる
- 講座を受講する目的:ヨガを通してボディラインを整える
- 講座内容の習熟度:初心者
そのほかにも、ハンドメイドのオンライン講座を作るのであれば、以下のようなペルソナが考えられるでしょう。
- 年齢、性別:30代女性
- 悩み:子育ての合間に自宅でお金を稼ぐ方法がわからない
- 講座を受講する目的:制作物をオンラインで販売できるようになる
- 講座内容の習熟度:中級者
ターゲットによって講座の内容だけでなく、講座を開催する時間帯や回数なども変えていく必要があります。また上で挙げたように、ペルソナを考える際にはその講座内容に対する習熟度(初心者か、上級者かなど)も考える必要がありますが、ニーズの高いテーマであれば講座自体は受講者のレベル別に作るのもおすすめです。
3. 講座の形式を決める
オンライン講座には以下の2種類の形式があります。
- ライブ配信
- オンデマンド配信
それぞれ特徴が異なるので、講座の内容やターゲットのニーズに合った形式を選びましょう。
ライブ配信
ライブ配信はリアルタイムで講義を実施する形式です。その場で疑問点を質問したりディスカッションしたりできるので、オフラインの講座に近い形で提供できます。英会話教室やヨガ教室など、コミュニケーションが必要な講座におすすめです。
しかし、決まった時間に講義をするため、受講者の中には時間が合わず、参加を断念する人もいるでしょう。
オンデマンド配信
オンデマンド配信は事前に撮影した動画を受講者が視聴する形式です。伝えるべき情報が決まっているビジネス系の講座に向いています。受講者の都合の良い時間に視聴できるため、子育てや仕事に忙しい人でも参加しやすいでしょう。また、わからないところは繰り返し視聴できることから、受講者のペースで学習を進められます。
しかし、リアルタイムで質問ができないので、疑問を解消しにくいのがデメリットです。個人で学習を進めていくため、受講者のモチベーションも維持しにくいでしょう。
形式の決め方
形式を決める際は、自分が継続できる方法を選ぶのが重要です。講師をする自分自身が継続できない方法では、講座が成り立たなくなる可能性があります。
ターゲットのニーズと自分が継続できる方法が異なる場合は、動画の制作頻度や配信の時間帯、内容などを見つめ直し、妥協点を探しましょう。講座の内容によって、ライブ配信とオンデマンド配信を組み合わせるのも良いでしょう。
4. 講座のニーズを検証する
実際に講座を制作する前に、無料のウェビナーやミニ講座を制作し、開講しようとしている講座についてニーズの有無を確かめましょう。
たとえば、ブログやXで発信している内容をメルマガにしてミニ講座を制作するのもおすすめです。ミニ講座を受講する人が多ければニーズがあると考えられるので、講座を開講しても一定の受講者数を得られる目途が立ちます。
万が一、ミニ講座や無料のウェビナーの受講者が少ない場合は、ターゲットや講座のテーマを見直す必要があります。
5. 講座を制作する
講座のターゲットやテーマが決まったら、講座の制作を進めます。形式によって手順が異なる場合もありますが、基本的に以下の流れで進めると良いでしょう。
1) 講座の構成やゴールを考える
受講者が最終的に何を身につけられるようにするかというゴールを設定したうえで、全体の構成を考えましょう。受講者の目指すゴールから逆算して構成を考えることで、一貫性のある内容に講座を仕上げられます。
販売する際のアピールポイントにもなるので、魅力的なゴールを設定できれば多くの受講者を集められるでしょう。
2) 具体的な講座内容や講座の長さを決める
具体的にどのような内容を教えるのかをリストアップして講座内容を決め、それに基づき講座の回数や、1講座あたりの長さを決めていきしょう。また、決めた単元ごとに教える内容をさらに細分化して、講座の具体的内容を決めていきます。
なおオンデマンド配信では、1回の動画が長いと受講者のモチベーションが下がりやすくなるため、一つの動画で作業の全工程を教えるのではなく、動画を細かく区切るのがおすすめです。
3) シナリオを作成する
細分化した内容を元に、講座のシナリオを作成します。動画以外のコンテンツが必要な場合は、合わせてその作成も進めましょう。
シナリオを作成する際は、誰にでもわかるような言葉を選ぶのが重要です。専門用語や難しい解説ばかりでは、学ぶ人のモチベーションが下がってしまう可能性があります。必要に応じて図解を用いるのもおすすめです。
シナリオが完成したら第三者に目を通してもらい、不足している内容や難しい点がないかをチェックしてもらいましょう。
4) リハーサルをする
シナリオに基づき、予行演習(リハーサル)を行います。ライブ配信を選択している場合は、当日予想されるトラブルや対処法も考えておきましょう。ライブ配信ではやり直しがきかないため、リハーサルでの最終チェックが特に重要となります。
リハーサルをすることによって、話し方や時間配分の改善点を見つけられます。話し方が不明瞭だと受講者が理解しづらくなり、講座の満足度低下につながります。
5) オンデマンド配信の場合は録画する
オンデマンド配信の場合は、リハーサル完了後に配信用の動画を撮影します。カメラやマイクなどの必要機材の準備をしっかりとしておきましょう。
6. 講座をモニター価格で販売する
受講者に求められている内容を正確に把握するには、講座を定価で提供する前に、モニター価格で販売するのがおすすめです。モニター講座の受講者から内容のフィードバックを受ければ、よりニーズに合った講座を提供できるでしょう。
また、モニター講座を販売する際は、モニター講座の目標金額も設定しましょう。さらに目標金額を達成するための販売方法も同時に検討してください。こうすることで、講座を定価で販売する際のシミュレーションができます。期間内に目標金額を達成できなかった場合は、定価で販売する際の販売方法も見直してみましょう。
7. 販売目標と講座の価格を決める
目標とする全体の売上金額を設定した上で、料金相場や講座のボリューム、講座の専門性や分野、希少性などに基づいて講座の価格を設定します。
適正と考えられる価格は、こうした要素により変わってくるため一概には言えませんが、相場から大きくかけ離れたような安すぎる価格設定は一般的に推奨されません。格安価格に設定すると、講座内容の質が低いのではないかと消費者に思われてしまう恐れがあるためです。
さらに、講座を販売する際には3種類の価格帯を用意しておくのがおすすめです。3種類のうち、中程度の価格帯に最も販売したい講座を設定することで、松竹梅の法則(ゴルディロックスの原理)が働き、より多くのユーザーに購入を促せます。また、英会話教室やヨガ教室のような継続的に取り組む内容であれば、サブスクリプション型の料金設定にするのもおすすめです。
8. 講座を配信するプラットフォームを決める
以下のプラットフォームなどの中から、配信に使用するものを選択していきます。ここに挙げたプラットフォームは、オンライン講座でよく使用される傾向にあります。
- ウェブ会議ツール(Zoomなど)
- 専用プラットフォーム(Udemy、ストアカ、ココナラなど)
- 独自のウェブサイト(Shopify、WordPressなど)
それぞれ特徴やメリットが異なるので、講座に合わせた選択をしましょう。
ウェブ会議ツール(Zoomなど)
ウェブ会議ツールは、特にライブ配信形式に活用しやすいプラットフォームですが、録画形式の講座にも使用できます。その中でもZoomは、よく使用されることの多いツールです。
Zoomは、アプリのインストールは必要ですが、通信環境が安定しているため、ライブ配信形式で利用しやすいツールと言えます。また、チャットでのコミュニケーションもできることから、受講生の疑問点にも答えられます。Zoomでのオンライン講座のやり方は、時間までに受講生にURLを発行するだけです。ライブ配信した映像の録画もできるので、録画したものを後日受講生が視聴できるようにしたり、別のコンテンツとして販売したりすることも可能です。
専用プラットフォーム(Udemy、ストアカ、ココナラなど)
オンライン講座の配信に特化した専用プラットフォーム、たとえばUdemy、ストアカ、ココナラは、動画配信に合わせた造りとなっているため使いやすく、講座配信に慣れていない方にもおすすめです。
こうしたプラットフォームは、決済時の手数料割合や集客機能の有無など、機能がものによって異なるため、必要な機能が揃っているかを確認しましょう。簡単に講座の配信ができるため、不労所得を得るのも夢ではなくなるでしょう。
独自のウェブサイト(Shopify、WordPressなど)
オリジナリティのあるオンライン講座を作りたい人には、ShopifyやWordPress等を使って構築した独自のウェブサイトを使用するのがおすすめです。
Shopifyでは、デジタルコンテンツの販売ができます。オンデマンド配信形式での講座販売だけでなく、サブスクリプション形式の料金体系にも対応可能です。また、Udemyのような専用プラットフォームよりも手数料がかかりません。
WordPressでは、ウェブサイト上に動画をアップすれば、オンデマンド配信形式で講座を開講できます。またWordPressでは、動画だけでなくテキストでも情報を伝えられます。
9. 集客方法を考え、講座を販売する
集客方法を考えた上でオンライン講座を販売することで、より多くの見込み客にリーチしやすくなります。SNSやウェブ広告、ランディングページ(LP)など、ターゲットとするユーザーに届きやすい媒体を選ぶのが重要です。また、無料のウェビナーを開催して、参加者を有料講座に案内するのも良いでしょう。
講座を制作しただけでは受講生を集められないので、集客のためのプラットフォームも整えていきましょう。集客にSNSを利用する場合は、使うものを受講生と親和性の高い1種類に絞ると効果的です。
10. 感想や口コミを集め、講座を改善する
実際に講座を開講したら受講生の感想や口コミを集め、それを基に講座内容を改善していきます。
受講後にアンケートを配布して、改善に必要な内容をヒアリングするのがおすすめです。オンデマンド配信では一度撮影した動画を繰り返し利用できるものの、アンケート結果を元に内容をブラッシュアップすることで、より満足度の高い講座を提供できるでしょう。
また、受講生のビフォーアフターやポジティブな感想は集客にも効果的です。SNSやLPなどに受講生のポジティブな感想を載せれば、講座の説得力が増すため受講を迷っているユーザーの後押しにもなります。
オンライン講座を作る3つのメリット
1. 初期費用を抑えられる
オンライン講座はオフラインのものと異なり、専用のスタジオや会議室などを用意する必要がないため、初期費用を抑えられます。自宅を利用できるため、最低限インターネット環境とカメラさえあれば講座を開講できるのも特徴です。スタジオのレンタル料や水道代のようなランニングコストもほとんどかかりません。
初期費用や経費を削減できることによって、売上の多くを利益として残せるでしょう。
2. 自宅にいながら好きなことで収入を得られる
オンライン講座は自宅で開講できるため、在宅で稼ぐことができます。好きなことを仕事にできるため、続けやすいのもメリットです。
また、無形商品であるオンライン講座であれば、仕入れた商品や原材料の保管などのスペースを確保する必要もありません。
3. どこからでも参加してもらえる
インターネット環境があれば、どこからでも受講してもらえます。
オフラインの講座の場合、受講できるのは講座会場に通える範囲に居住する人となり、対象者が限られます。しかし、オンライン講座は日本全国だけでなく、海外からでも受講できるので、より多くの受講者を集められます。
まとめ
オンライン講座を制作する際は、市場のニーズを調べ、具体的なターゲットを設定します。ターゲットの人物像や受講後に目指すゴールを明確にすることで、質の高い講座を制作できるでしょう。
また、オンライン講座は、ライブ配信とオンデマンド配信の2種類の形式があるため、講座の内容やターゲットのニーズに合わせて適した配信方法を選ぶのも重要です。繰り返し動画を視聴できた方が良いのか、リアルタイムで質問できる環境が良いのかを考えておきましょう。
オンライン講座なら誰でもどこからでも参加できるので、幅広いユーザーをターゲットに集客できます。在宅で収入を得たいと考えている人は、ぜひこの記事を参考に、オンライン講座を制作してみてください。
よくある質問
オンライン講座とは?
インターネット環境があれば受講できる講座のことです。パソコンやスマホがあればどこにいても誰でも受講できるので、幅広いユーザーをターゲットにできます。会場の手配が必要ないため、コストを抑えて気軽に開講できるのがメリットです。
無料のオンラインスクールの作り方は?
以下のプラットフォームやツールを使うことで、無料のオンラインスクールが作れます。
- コテエコカレッジ
- Udemy
- ココナラ
ツールやプラットフォームを使用する際の月額費用がかかるものもあるので、無料の講座と合わせて有料の講座を制作すると良いでしょう。
オンラインレッスンのやり方は?
- インターネット環境を整える
- マイクやカメラなどの必要な機材を揃える
- 講座の内容を決める
- リハーサルをする
- オンラインレッスンを実施する
- 終了後にアンケートをとって改善点を把握する
オンラインレッスンを始める前に、リハーサルをして話し方や時間配分などを確かめましょう。また、レッスン終了後は受講者にアンケートの回答を依頼し、改善点を把握して講座をブラッシュアップできるようにしましょう。
文:Kana Fukuzumi