トップレベルドメインという言葉を知らなくても、インターネットを利用していれば「.jp」や「.com」などの文字を一度は目にしたことがあるでしょう。これらはURLの一部であるドメインの中でもトップレベルドメイン(TLD)と呼ばれるもので、重要な役割を持ちます。
ウェブサイトやECサイトのドメインを登録する前に、トップレベルドメインについてもしっかりと理解しましょう。
目次
TLD(トップレベルドメイン)とは
TLDとはTop Level Domain(トップレベルドメイン)の略で、URL最後のドット以降に続くものです。よく知られたものだと「.com」や「.jp」などがあります。トップレベルドメインはDNSでのドメインとIPアドレスの紐付けの際、DNSルートサーバーと呼ばれる最上位のDNSサーバーで検索されます。
トップレベルドメインにはドメインを分類する役割があり、ドットの後の文字列によって営利目的、政府機関、国など、そのサイトの種類を判別できるようになっています。近年では、内容にかかわらず利用できるトップレベルドメインも増え、その種類も多様化しています。
トップレベルドメインの選択肢は多くなっているものの、ユーザーに覚えてもらいやすく、信頼してもらえるドメインでなければサイトへのアクセスは期待できません。ユーザー視点で取得するドメインを考えるようにしましょう。
トップレベルドメインの種類
トップレベルドメインはICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)という組織で管理され、2024年時点で1500近く存在します。
それぞれのドメインはいくつかの種類に分類することができ、それぞれに特徴があります。
gTLD(ジェネリックトップレベルドメイン)
gTLD(ジェネリックトップレベルドメイン)はgeneric Top Level Domainの略で、汎用トップレベルドメインとも呼ばれます。gTLDには世界中の誰でも登録できる「.com」「.net」などがあり、利用者も多くいます。
本来、「.com」はcommercialの意味を持ち営利目的の企業用、「.net」はnetworkの意味を持ちインターネット関連用、「.org」はorganisationの意味で非営利組織用などと住み分けがされていましたが、現在は商用ではなくても「.com」を使ったり、「.com」ドメインを取得できなかったため代替案として「.net」を使ったりするなど、自由に選べるようになっています。
しかし、人気のあるトップレベルドメインも多く、希望のドメイン名で登録できないこともあります。
ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)
ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)はcountry code Top Level Domainの略で、それぞれの国や地域に割り当てられています。該当する国や地域に住所があることが条件となっていて、日本は「.jp」が利用できます。「.cc」など一部のものは、住所に関係なく世界中のどこからでも取得できます。
新gTLD
新gTLDは、gTLDのなかで2012年以降に作成されたものです。認知度が高く人気のあるgTLDでは希望のドメイン名で登録できないこともありますが、新gTLDであれば従来のgTLDよりも浸透していないため登録できる可能性が高くなります。
中でも「.blog」や「.site」などユーザーが見たときにサイトの内容がわかりやすい新gTLDは使い勝手も良くおすすめです。
しかし、サイトの内容がわからない文字列で認知度も低いものなどには、ユーザーの信頼が得られずサイトを訪問してもらえない危険性があります。
sTLD(スポンサー付きトップレベルドメイン)
sTLDはsponsored Top Level Domainの略で、政府や企業など特定の組織が提供するTLDです。「.edu」「.gov」など公的機関が提供するものや「.travel」など企業が提供するもの、「.asia」や「.cat」など非営利団体が提供するものなどがあります。アメリカ教育機関が提供する「.edu」、アメリカ政府機関に限定された「.gov」など、登録条件があるものもあります。
トップレベルドメインの選び方
認知度の高さで選ぶ
トップレベルドメインの選び方でもっとも一般的なのは、認知度の高さで選ぶことでしょう。世界中で使え、認知度や人気が高いトップレベルドメインはgTLDから選びます。「.com」や「.net」などは広く認識されているため、「ドットコム」など音声でもユーザーが認識してくれます。認識されやすい、覚えやすいトップレベルドメインの利用は、サイトへの訪問者を増やすことにもつながります。
しかし、人気のあるトップレベルドメインは希望のドメイン名で登録できない可能性もあります。
サイトのターゲットから選ぶ
サイトのターゲットに合わせたトップレベルドメインを選ぶのも良いでしょう。例えば、ターゲットが世界であれば「.jp」のような地域が限定されるトップレベルドメインは利用しないのが賢明です。
また、サイトの特徴にあわせたトップレベルドメインを利用することで、ターゲットに認識してもらいやすくなり、他との差別化も可能になります。例えば旅をテーマにしたサイトで土地名+.travelのドメイン名にすることで、サイトの目的がユーザーに明確に伝わるだけでなく、ユーザーにも簡単に覚えてもらうことができ、検索しやすくなりサイト訪問へつながります。
トップレベルドメインとSEOの関係
Googleが2015年に発表した内容によると、どんなトップレベルドメインを利用するかは基本的にSEOに影響を及ぼしません。「.com」を利用したとしても、ブランド名を使って新しく作ったオリジナルのトップレベルドメインを利用したとしても、SEOには関係ありません。
例外はccTLDを利用した場合で、特定の地域に割り当てられたccTLDがついているサイトは該当の国に関係している可能性が高いと判断され、検索結果で優先して表示されます。つまり、地域に特化したサイトやターゲットの居住エリアが限られているのであれば、該当するccTLDを使うことで有利になるということです。
まとめ
トップレベルドメインはURLの最後のドットから後ろのことを指し、DNSで最初に検索されるものです。ユーザーに覚えてもらいやすいドメインにするためには、トップレベルドメインのわかりやすさも重要になります。サイトの内容やターゲットに合った覚えやすいトップレベルドメインを利用するようにしましょう。
トップレベルドメインについてよくある質問
トップレベルドメインの取得費用は?
登録したいトップレベルドメインや登録先によって、ドメイン全体の取得費用は異なります。取得費用のほかに更新費用も発生します。知名度の高いものや人気のあるトップレベルドメインは費用が高くなります。無料で取得できるものもありますが、マイナーなものはユーザーに信頼してもらいにくいため避けた方が良いでしょう。