初期投資をほぼかけることなく手軽に始められるブログですが、在宅ワークとして大きな収益を生む可能性を秘めています。
ブログの始め方はわかったけれど、収益化するにはどうしたらいいの?という疑問に答えるために、この記事ではブログの収益化の仕組みと、ブログで稼ぐ方法をまとめました。
ブログを収益化する5つの方法
ブログを収益化するには、主に以下の5つの方法があります。
1. アフィリエイト
アフィリエイトとは、ブログ内で商品やサービスをおすすめし、そのリンクから購入があった場合、報酬を得るという仕組みです。インフルエンサーなどもこの方法で収入を得ています。
アフィリエイトを始めるには、AmazonアフィリエイトやShopifyアフィリエイトなどの、アフィリエイト・サービス・プロバイダ(ASP)のサービスに登録するというやり方があります。ASPは複数の企業と提携しているため、ユーザーは紹介するものや報酬の割合などを比較して選ぶことができます。サービスによっては、申し込みのあと審査が必要になる場合もあります。慣れたら複数のASPプログラムに申し込んでみるのもよいでしょう。
最近では、ASPを仲介せず、広告主と直接契約を結ぶアフィリエイトもあります。直接契約する場合、広告主から直接報酬が支払われるため、仲介料がとられず、比較的報酬が高くなるというメリットがあります。
2. 広告配信
広告配信サービスに登録し、ブログにバナー広告を貼って収入を得る方法です。
ブログに広告のコードを埋め込むと、読者に合わせた広告が自動的に配信される仕組みです。広告は、見る人の興味や閲覧履歴に基づいて表示されるため、ただバナーを貼るよりもクリックされる確率が高くなります。
広告は、ディスプレイ広告、インフィード広告、記事内広告など複数の表示形態が用意されており、自分のブログに適したものを選ぶことが可能です。
また、新しいコンテンツを公開していない時でも、表示される広告は自動的に変わるため、持続的な受動収入を得る手段としておすすめです。
広告配信サービスに登録するには審査があり、ブログが最低ページ閲覧数などの要件を満たしていなければなりません。有名な広告配信サービスには、Google Adsense(グーグル アドセンス)などがあります。
3. 有料コンテンツ
有料コンテンツとは、課金したユーザーにのみ表示されるブログや記事のことを指します。noteなどのサービスを利用すると、記事ごとに閲覧を有料にしたり、また、記事の途中までを無料公開して続きは支払ったユーザーにのみ見せることもできます。
また、ブログ自体を月額・年額など定期課金したメンバーにのみ公開する、サブスクリプション方式をとることもできます。
この方式で長期的に収益を得るためには、ブログをお金を払って購読してくれるファンを育てることが大切です。
ニーズに合ったメッセージをタイムリーに送ることができるメールは、読者との関係性の維持や強化に適したコミュニケーションツールです。Substack(サブスタック)などのサービスを利用してニュースレター(メルマガ)をつくり、ブログ更新のお知らせやメールだけでしか公開されない予告、特典などを配信するといいでしょう。
ファンコミュニティが醸成されたら、YouTube、ポッドキャスト、Twitchなど、チャンネルを広げることで別コンテンツでの収益化も見込めます。
4. スポンサー記事の執筆
企業によっては、商品やサービスへのレビュー記事に対して、報酬を支払うことがあります。自分の好きな商品やサービスがあれば、販売元の企業に連絡をとり、記事を書かせてもらえないか交渉してみましょう。
ただし、企業案件についてはステマ(ステルスマーケティング)にならないよう、最大限の注意をはらうことが必要です。ステマにならないようにするには、企業の名前と、報酬を受け取ったことを明記しておきましょう。
また、やらせや嘘になってしまわないように、忖度のない正直な意見を書くようにしましょう。
5. 出版・パッケージ販売
ブログで書きためた内容や、ブログから派生したコンテンツをまとめて販売することでも収益化が見込めます。たとえば、次のようなアイディアが考えられます。
- 書籍
- デジタルコンテンツ
書籍
ブログの内容をまとめた書籍を発売すれば、印税を得ることができます。また、書籍はわかりやすい実績となり、ブログ読者の信頼を高める材料にもなります。
プリントオンデマンド出版すれば、注文が入るたびに本が印刷される方法で初期投資なしで自己出版することもできます。
デジタルコンテンツ
記事ごとの売却や、電子書籍などデジタルコンテンツを販売することもできます。デジタルコンテンツのような無形商品であれば、在庫管理や発送などの業務も必要なく、送料もかかりません。ブログ記事を書きためておき、ココナラなどで注文を受けて販売すると読者を待たずにブログコンテンツを収益化することができます。
6. ブログの売却
ブログごと売ることでも収益が得られます。この方法にはまとまった資金を得られるというメリットがあります。個人サイトや個人ブログの売買に関するサイトはたくさんあるので、事前にどのようなブログが売れているのかを確認するといいでしょう。はじめから、売却目的でブログを作成すると、売却直前に個人の情報や写真を記事を遡って削除したりする手間が省けます。
販売するなら、最低20記事以上は必要になります。
販売価格は交渉次第ですが、数万から20万円が相場のようです。
ブログ収益化の始め方の流れ
1. ブログの内容を決める
ブログで書く内容を決める上で大切なのは、次の3つです。
- 自分が興味をもっている
- 競争相手が少ない
- 収益化の可能性が明確にあるジャンル
自分が興味をもっている内容であること
ブログを長く続けられるように、楽しく執筆できるジャンルを選びましょう。興味をもっている内容であれば、自然と内容に深みが生まれ、興味のないことを書いているときよりも、記事の質が高くなります。
ブログで最も重要なのは、継続することです。ブログで儲けるには記事数が必要になり、収益化には時間がかかります。どんなにいい記事が書けても、途中でやめてしまったら、安定した収益化にはつながりません。
自分の体験した身近なことにフォーカスするのもいいでしょう。たとえば、自分が仕事で得た経験を書いた日記や、自分が抱えていた悩み、自分の挑戦などについての記録は、同じ環境にいる人にとって、それだけで非常に価値のあるものになります。
継続年数が長いブログほど、相対的に収入が高いというデータもあります。
競争相手の少ない内容であること
星の数ほど存在するブログの中で突出し収益性を高めるために、ニッチなジャンルを選んだり内容を差別化したりしましょう。
差別化するには次のような方法があります。
- 特定のロケーションに絞る(例:東京下町)
- 大きいカテゴリーの中で、特定のセグメントに限定する(例:旅行カテゴリーの中の女性ひとり旅)
- スタイルやトーンを差別化する(例:ユニークな語り口、視点)
- 質を高めて差別化する(例:詳細な考察を含める)
競合の調査も非常に重要です。選んだジャンル内に人気のブログが見つかれば、すでに強力な競合がいるということです。また、想定したキーワードでGoogle検索をして検索結果の上位に大手のブランドなどが表示されている場合、トラフィックを引き寄せることは難しくなります。
収益化の可能性が明確にあるジャンルであること
ブログで取り上げるジャンル、企業、製品などに、収益化の機会があるかを確認しましょう。たとえば、アフィリエイトでの収益化を目指す場合、アフィリエイトプログラムが存在しないジャンルで執筆した場合、どんなに記事がよくても収益化はできません。
2. ブログのサービスを選ぶ
ブログサービスには無料のものと有料のものがあります。無料のブログサービスで文章の発信に特化したものにはnote(ノート)があり、有料記事を作成することができます。
アフィリエイトや広告での収益化を目指すのであれば、有料のWordPress(ワードプレス)がおすすめです。WordPressは、対応しているASPも多く、SEO対策にも強いといわれています。またダウンロード製品や有形のグッズを販売したい場合、Shopifyと連携してブログ自体をショップ機能もあるホームページにすることも可能です。また、WordPressは幅広く利用されていることから、ブログの売却を考えている方には特におすすめです。
3. ブログを開設する
サービスを決めたらブログを開設します。ここではWordPressの例をかんたんに紹介します。
- サーバーを契約する
- ブログ名とドメイン名を決める:ブログの名前を決定します。決定したブログ名に基づいて、独自ドメインも取得しておくと、信頼性を獲得しやすくブログの差別化にもつながります。
- WordPressをインストールする
- ブログのテーマ(テンプレート)を選ぶ:ブログのデザインはSEOやブログのエンゲージメント指標にも影響します。自分のブログの内容や目的、スタイルに適したテーマを選択しましょう。
- プロフィールを作成する:Aboutページで自分の人柄や人物像を伝えることで、ファンを増やしやすくなります。ニックネームや経歴、実績、目標に加えて、自分が運営しているネットショップのURLや、販売しているコンテンツがあれば記載しておきましょう。
4. 記事を書く
ブログを開設したら、PCやスマホで記事を執筆します。
アフィリエイトや広告配信サービスに登録するには、ある程度の記事数が必要です。審査に通るように、最低でも10記事は続けて書きましょう。SEO対策ができるように、文字数の目安は1,000文字以上を意識するとよいでしょう。
5. アフィリエイトプログラムに登録する
アフィリエイトで収入を得る場合は、アフィリエイトプログラムに登録します。
主要なASPプログラムには次のようなものがあります。
また、ドローンで有名なDJIや、キャンプ製品で有名なパタゴニアなどは、メーカーが直接契約のアフィリエイトプログラムを行っています。好きな企業が直接契約のアフィリエイトを行っていれば、アプローチしてみてもいいかもしれません。
6. 広告配信サービスに申請する
記事がたまったら、広告配信サービスに申請してみましょう。
広告配信サービスでは、Google AdSenseが有名ですが、審査基準は公開されていません。必要な記事数は8〜10記事とも、20記事ともいわれています。
審査は1日で終わることもあれば、数ヶ月かかることもあります。審査中もブログ更新を続けるようにしましょう。
7. 読者に継続的に読んでもらうための工夫をする
- SNSとブログを連携させる
- ブログコンテンツを再利用する
- アクセス解析機能でブログを改善していく
SNSとブログを連携させる
ターゲット読者が一番利用しているSNSを利用してマーケティングを行います。
ブログ記事のまとめをXに箇条書きで投稿する、Instagramでブログ記事のリクエストを募るなど、ターゲット読者が利用するSNSで自分のブログをアピールすることで認知度のアップやファンの獲得に繋がるでしょう。
ブログコンテンツを再利用する
毎日たくさんの投稿ができるわけではないため、コンテンツを効率よく再利用しましょう。再利用のコツには以下のようなものがあります。
- 共通項でくくった過去分のまとめ記事を投稿する。(例:2024年の人気記事まとめ)
- 既存の投稿をクイズや図解など別の形式のコンテンツに変える。
- 過去の投稿からある程度の時間が経ったら、再投稿(リライト)をおこなう。
- 関連コンテンツのリンクを記事内に入れ、内部リンクを設置する。
アクセス解析機能でブログを改善していく
アクセス解析をすることで、ブログ訪問者の行動を分析することができます。
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールを使って得られる、PV数(ページが閲覧された回数)や検索キーワード、ページの滞在時間などさまざまな情報を分析して、新しい記事を書きます。分析と改善を繰り返していくことでブログへのアクセスを増やすことができます。
このアクセス解析ツール以外にも、キーワードリサーチのために「ラッコキーワード」などのツールを使って、SEO対策するのもよいでしょう。
まとめ
ブログ収益化の方法は多岐に渡り、複数の仕組みを組み合わせれば、将来的には安定的な収入も見込めます。また、ブログは、ブログだけにおさまらず別のビジネスに発展する可能性を秘めているのも魅力です。
自分の「好き」や「興味」を記事にして、ブログの収益化を始めてみませんか。
ブログ収益化についてのよくある質問
ブログ収益化までの期間の目安は?
ブログ収益化までの期間の目安は、約半年です。Google AdSenseの審査に通るブログの運営期間が、最低6ヵ月と言われています。もちろん、ブロガーや、ブログの運営に費やす時間、使用するサービスによっても、収益化までにかかる期間は異なります。まれなケースでは、1〜2ヵ月でお金を稼げるようになった人も存在します。
ブログの収益化は難しい?
ブログの収益化は可能ですが、すぐにまとまった金額を稼ぐのは難しいと言えます。ニッチなジャンルで特定の顧客層を狙ったり、複数の方法を組み合わせたりするなど工夫しするといいでしょう。継続年数が長いブログほど、相対的に収入が高いというデータもあります。
ブログを収益化するのに必要な記事数の目安は?
ブログを収益化するのに必要な記事数の目安は、GoogleAdSenseでは最低20記事だと言われています。
ブログではもう稼げない?
ブログを上手く運用することで、稼ぐことはできます。理由としてはブログを含むアフィリエイトマーケティングの市場規模が拡大を続けていることです。たとえば、日本のアフィリエイトマーケティングの市場規模は、2022年度は推計約3850億円でしたが、2026年には約5640億円に達する見込みです。まだまだ挑戦しがいのある分野だといえるでしょう。