新規事業の立ち上げを考えている方や、これから起業家を目指す方のために、様々な分野から起業アイデアを集めました。起業するには誰もやっていないアイデアが必要だと思われがちですが、既存のビジネスモデルを参考に自分の得意分野で事業を始めたり、いくつかのアイデアを組み合わせたりしても、ビジネスチャンスを作り出すことができます。そこで今回は、日本で人気のビジネスモデルだけではなく、海外で成功していながらも日本ではまだ広まっていないアイデアもご紹介します。
ネットショップの新規事業アイデア7つ
1. ドロップシッピング
ドロップシッピングとは、最初に商品を仕入れるのではなく、商品が売れたらその都度メーカーやサプライヤー(卸業者)から購入者へ直接発送されるビジネスモデルです。在庫を持たずに商品を販売でき、梱包や発送もメーカーや業者が行ってくれるため、初期費用や作業の手間、交渉などが不要になるメリットがあります。そのため、ドロップシッピングは初心者でも始めやすい事業と言えます。また、Shopify(ショッピファイ)を使えば、国内だけではなく海外など世界へ向けてドロップシッピングを展開することもできます。
2. ホワイトレーベル
ホワイトレーベル(ホワイトラベル)とは、メーカーが開発・製造した商品やサービスを、自社のブランド名で販売するビジネスモデルです。製品の開発にかかる初期投資や自社工場が不要で、ノウハウを持つ専門メーカーが提供する安定した品質の商品を販売できます。ドロップシッピングに対応しているものもあるため、それらのホワイトレーベル商品を扱えば、在庫を抱えずに自社ブランド製品を販売できます。主に、化粧品やスマホアクセサリー、ペット用品などの製品がホワイトレーベルとして販売されています。
3. ペット用品販売
ペットフードからアクセサリーまで、ペット用品は今後さらにニーズが高まることが期待される市場の一つです。ペットを家族として大切にする人が増えており、洋服や高級アクセサリー、オーガニックフードなど付加価値の高い商品が人気を集めています。ペットの視点に立ったプロダクト開発を行う企業もあるなど、多岐にわたる商品から独自のラインナップをそろえることができ、今後もさらに成長が期待できる事業です。
4. サブスクリプションサービス
サブスクリプションサービスは、月単位や年単位で料金を支払うことで、顧客に商品やサービスを一定期間利用する権利を提供するものです。月額料金制のアプリやWebサービス、ブランド品のレンタルサービス、「毎日コーヒー1杯無料」といった飲食店の定額サービス、セレクト商品の定期購入など、近年は多彩なサブスクリプションサービスが誕生しています。ユーザーが増えるほど収益が拡大していくストック型ビジネスであり、日常生活のなかからアイデアが生まれることも多いため、サブスクビジネスでのアントレプレナーも増えています。
5. 古着販売
古着販売も近年市場規模を拡大しており、有名ブランドのものだけではなく、無名ブランドのアイテムも盛んに流通するようになっています。自宅にある不要な服を売るといった小規模なものではなく、人気の古着を仕入れて販売するビジネスもあり、特に海外販売も視野に入れると国内市場だけでは思いもしなかったニーズが見つかるケースもあります。海外向けのECサイトを構築する手間やコストを抑えるのであれば、有名なECモールに出店することで簡単に海外への販路を開くこともできます。Shopifyなら越境ECにも対応していて、多言語・多通貨機能や海外発送の簡易化ができ、海外販売が初めてという人にも安心です。なお、日本で古着販売を行う場合は、古物商許可が必要になるため忘れずに申請書を提出しましょう。
6. リセラー
リセラーは、いわゆるディーラーや販売代理店とも呼ばれるビジネスモデルで、メーカーや卸売業者との契約に基づいて、仕入れた製品を消費者に販売する事業です。商品を製造する必要がなく、またセールスレターや製品画像といった販売キットがあらかじめ用意されているケースもあり、自身の販売戦略やスキルによって収益を生みだすことができます。
7. アフィリエイト
アフィリエイトは、Webサイト上に設置した広告の閲覧数や、商品・サービスの紹介を通じた販売数などに応じて、報酬を得られるビジネスです。WebサイトやSNSアカウントさえ用意すればすぐに始められるため、スマホ副業や在宅で稼ぐ方法として人気となっています。紹介する商品に関連した価値の高い情報や、効果的なSEO対策で安定した訪問者数を確保できるようになると、運営に大きな手間をかけずに収益を生みだすこともできます。
クリエイティブを活かす新規事業アイデア4つ
8. ハンドメイド販売
アクセサリーや洋服、かばん、キャンドルなどのハンドメイド販売は、在宅で稼ぐ方法として人気なものの一つです。既製品や大量生産品とは異なる、オンリーワンのアイテムに魅力を感じる顧客もたくさんいます。すでに趣味としてハンドメイド作品を作っている人の場合は、ハンドメイト販売サイトを活用すればすぐにビジネスを始めることができます。また販売する商品が決まっていない場合は、「ハンドメイドで売れるもの」の記事を参考に販売する商品を選んでみてはいかがでしょう。ただし、食品や手作り化粧品など取り扱い商品によっては営業許可が必要になりますので注意しましょう。
9. 自作ステッカー販売
自作ステッカー販売は、低価格ですが製造コストも低く、利益率を高く設定できるメリットがあります。自宅のプリンターで印刷することもできますし、材料は100均で販売されているものも多く、手軽にそろえることができます。手づくりしてECサイトなどで販売するほかにも、専門業者に委託したり、ドロップシッピングを利用して印刷から加工、発送まで任せたりすることも可能です。
10. オリジナル商品販売
自作の絵やイラストを、Tシャツやスマホアクセサリーといったアイテムにプリントしてオリジナルの商品やブランドとして販売することもできます。プリントオンデマンドを利用すれば、大量の在庫や大きな初期投資を行なわずとも、自分のネットショップなどで販売を始めることが可能です。またこうしたオリジナルグッズ販売は、Twitch(トゥイッチ)やYouTube(ユーチューブ)の配信者の間でも活用されています。
11. プリントオンデマンド出版
プリントオンデマンド出版は、オンデマンド印刷を利用して自著の書籍を出版することです。従来からある自費出版の場合はまとまった部数での印刷・製本が必要なため、初期費用が高額となり在庫を抱えてしまうリスクもありました。しかし、プリントオンデマンド出版であれば必要部数のみ注文することが可能で、リスクは最小限に抑えられます。表紙はソフトカバーのみであったり、カラー印刷は割高になったりする傾向があり、書店での販売は難しいといったデメリットもありますが、出版のハードルがとても低くなるため創作活動の趣味を仕事にしたい人にもおすすめです。
スキルを活かす新規事業アイデア4つ
12. フリーランス
フリーランスとは、雇用契約に縛られずに自分が持つ技術や知識を活かす働き方全般を指します。Webデザインやイラスト作成、コピーライティング、システムエンジニアなどの職種で、フリーランスとしての働き方が広まっています。報酬や収入の相場が表に出づらいといった側面もあるため、専門性に加えてスキルや経験を売り込む能力や、クライアントとの交渉力なども必要とされることもあります。
13. インフルエンサー
インフルエンサーとは、ブログやSNSなどのメディアを使って自身の知名度を上げ、情報発信することで報酬を得るビジネスのことです。インスタで稼ぐインフルエンサーがその代表例と言えるでしょう。インフルエンサーとして報酬を得るには、ブログやSNSへを通じてファンを集め、企業からのPR依頼を獲得する方法が一般的です。前述のアフィリエイトやネットショップでの商品販売、コンテンツやオリジナルグッズの販売などの事業と合わせて行うことも可能です。インフルエンサーとして活動する場合は、自分の投稿がステマにならないよう注意が必要です。
14. デジタルコンテンツ販売
音楽や動画、電子書籍、eラーニングなどのデジタルコンテンツは、一度作成すればオンラインで繰り返し販売・配布できるという点が大きなメリットです。例えばeラーニングやオンライン授業は、得意分野を活かして起業をするのに最適です。特殊な機材を使わずとも、技術があれば普段使用しているパソコンやスマートフォンからコンテンツを作成でき、生産や発送も必要ないため利益率も高く設定することができます。素材写真の販売で有名なAdobe Stock(アドビストック)やPIXTA(ピクスタ)といったストックフォトサービスなどのプラットフォームを利用すれば、販売や営業活動も自動化することができます。
15. ビデオゲーム
ゲームに関連する市場も、近年は多様化が進み注目すべきビジネスとなっています。パソコンや家庭用ゲーム機、スマホなどのゲーム制作も、ツールを利用すれば高度なプログラミングなしで行えるようになり、個人で作ったインディーズゲームの裾野が広がっています。また、Twitch(トゥイッチ)などを通じたゲームプレイの配信者や、スポンサーシップを獲得したeスポーツのプロプレイヤー、攻略・宣伝サイトの構築など、ビデオゲームに関わる職種は広がり続けています。
海外で人気を集める新規事業アイデア7つ
16. サイト売買
サイト売買(M&A)では、自分が立ち上げたWebサイトを販売したり、既存のECサイトやWebサイトを購入して運営収益を獲得するビジネスモデルです。Webサイトの購入側は、すでに出ている実績に基づいてページビューやユーザー数を見込めるため、集客やマーケティングへのコストや時間を削減できることがメリットです。Webサイトの売却を前提として、集客や話題づくりに特化した戦略とノウハウを発揮する運営者もいます。
17. エシカルハッカー
倫理的ハッカーとも呼ばれるエシカルハッカーは、セキュリティのテストを目的に、企業や組織、個人などのパソコンやネットワークへの侵入を試行する仕事です。自社サイトや自社ネットワークのセキュリティの脆弱性を見つけてもらうことで、企業や組織はセキュリティ対策を講じることができ、将来的なサイバー攻撃を防ぐことにつながります。ホワイトハッカーとも呼ばれています。
18. バーチャルイベントプランナー
近年は、関連企業や顧客向けにVR(バーチャルリアリティー)空間でイベントを開催する企業が増えています。VRイベントでは、リアルイベントと比べて会場費や設営費といったコストを削減でき、世界各地からの参加者を募ることも可能です。オンラインでの展示会やウェビナーを開催するための技術やノウハウがないことに悩む企業は少なくないため、バーチャルイベントを企画・主導するプランナーのニーズも増加しています。
19. オンラインアシスタント
ここで触れるオンラインアシスタントとは、オンライン上でさまざまな業務をサポートするサービスのことです。スケジュール管理や議事録作成、請求書や見積書作成などの業務のほか、業界調査や提案書作成などの営業サポート業務に対応している場合もあります。パソコンとネット環境があればどこでもできる仕事で、秘書や経理などの知識とスキルを活かすこともできます。
20. 3Dプリンターでの制作販売やモデリングデータ販売
立体物を制作できる3Dプリンターを活用した作品や、3Dプリント用のモデリングデータを販売するケースも増えています。3Dプリンと技術の発展は目覚ましく、おもちゃや模型などの小物に限らず、一人ひとりに合わせた義肢や、工業製品のサンプル用などのデータが発注されているケースもあります。
21. ギグワーク
ギグワークとは、ライドシェアや料理のデリバリーに代表される、単発の仕事を受注して働く方法です。近年、ギグワーク市場は拡大傾向にあり、ギグエコノミーとも呼ばれます。Uber(ウーバー)やTaskrabbit(タスクラビット)といったプラットフォームがギグワークの代表例と言えるでしょう。日本には、GIGWORKS(ギグワークス)やTimee(タイミー)、シェアフルといったプラットフォームがあり、経験やスキルを求めない業務もあるため気軽に働ける点が魅力です。
22. メンタルヘルスケア
プライベートや仕事での不安や悩みの解決の糸口を見つけるために、オンラインでカウンセリングを受けられるメンタルヘルスケアは、需要の高まりを見せている事業の一つです。特に、新型コロナの流行をきっかけに、メンタルヘルスケアサービスを利用する人は世界中で増えたことが報告されています。臨床心理士や公認心理士など有資格者によるカウンセリングの他にも、AIによるヒアリングやサポートサービスも効果を発揮しており、これからますますビジネスモデルや技術が発展していく分野と言えるでしょう。
新規事業アイデアの見つけ方
人気の事業を分析する
現在人気を集めている事業を参考に、長所と短所を分析してみましょう。そして、「今後も需要の高まりが期待できるのか」、それとも「短所を改善することでより良いサービスを生みだせないか」といった面を検討してみます。利用者の口コミや評判をチェックすることで、改善点を洗い出すこともできるでしょう。人気の事業を分析するには、最新のヒット商品予測も参考になります。
既存ビジネスモデルをアレンジする
成功例のあるビジネスモデルは、ちょっとした工夫で新たな商品やサービスへとアレンジを加えれば、新規事業としてスタートできる場合もあります。ビジネスモデルとしてはすでに確立されているため、需要も予測しやすい点がメリットです。事前リサーチや競合調査に力をいれ、差別化ポイントやブランディングを明確にすることも重要です。
専門家や業界で成功している人にアドバイスを受ける
新規事業を専門としたコンサルタントや、業界で成功している人にアドバイスを受けることもおすすめします。多くの新規事業に携わってきた人物は、今後注目を集める可能性のある新規事業アイデアをすでに持っている可能性があります。また、新規事業を立ち上げる際にも、第三者の視点から有効な情報やアドバイスを受けられます。同様に、特定の業界に特化している人物からは、現在進行形で必要とされている商品やサービスなどのホットな情報を得ることができます。
まとめ
新規事業のアイデアは、奇抜なものでなければならない、ということはありません。むしろ、すでに成功しているビジネスモデルのなかから、自分に合ったスタイルや工夫でスタートさせることが大切です。初めて起業にチャレンジするという人は、起業するまでの流れも参考にしてみてください。
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新規事業のアイデアに関するよくある質問
スマホでできる新規事業は?
スマホでできる主な新規事業は、写真販売や古着販売、アフィリエイト、インフルエンサーなどがあります。スマホ副業の記事も参考になるため、ぜひ見てみてください。
新規事業は低予算で始められる?
ドロップシッピングやオンデマンド印刷など、低予算で始められる事業もあります。始めやすい事業の記事では、低予算で始められる事業を10個ピックアップして解説しています。
新規事業アイデアの見つけ方は?
新規事業のアイデアを見つける主な方法には、人気の事業を分析する、既存のビジネスモデルをアレンジする、専門家や業界で成功している人にアドバイスを受ける、の3つがあります。新規事業のアイデアはどこにあるかわかりませんので、普段から最新情報や業界の動向を注意深く観察することをおすすめします。
文:Masumi Murakami