スマホケースのニーズが増え続けているなかで、市販のものを購入するだけではなく、最近では自分でデザインして作れる環境も整ってきました。布や革で手作りをすることを思い浮かべるかもしれませんが、アプリなどを使って簡単に注文でき、さらに量産することもできます。
この記事では、オリジナルグッズとしてスマホケースを作る方法や、その制作に役立つプリント・製造サービスやアプリをご紹介します。また、自作スマホケースを販売する方法についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
スマホケースを自作する方法は3つある
1. オンデマンド印刷サービスを使う
オンデマンド印刷(プリントオンデマンド)のサービスを利用すれば、1つからオリジナルデザインのスマホケースを発注できます。スマホケースに合わせたデザインは、自作のイラストなどを素材にオンデマンド印刷サイトが提供する専用ツールを使うことで簡単に作成することができます。
注文が入るたびにオンデマンド印刷サービス会社で生産から梱包、発送まで代行してくれるケースも多いため在庫を抱える心配がなく、ネットで稼ぐ方法としても人気です。さらに、Shopify(ショッピファイ)などで構築したECサイトから注文が入ったら、その情報が自動的にオンデマンド印刷サイトに送られる仕組みにすることもできます。
2. ハンドメイド
既存のケースを使って簡単にアレンジする方法や、素材やデザインにこだわってハンドメイドで自作する方法も人気です。スマホケースをハンドメイドで作る代表的な方法を見ていきましょう。
写真やステッカーでアレンジ
透明スマホケースに写真やステッカー、シールを貼る簡単なアレンジ方法です。貼り付ける場所をスマホケースの内側やスマホ本体にすれば、写真やステッカーが傷ついたり剥がれるリスクも少なくなります。
必要な材料:透明スマホケース、好きな写真やステッカー、シールなど
デコパージュ
お気に入りのデザインの紙や雑誌の切り抜きを、デコパージュ液と呼ばれる専用の糊で貼り付ける技法です。用意したスマホケースにデコパージュ液を塗り、気泡が入らないように気を付けながらお好みの絵柄を貼ります。乾いたらトップコートを塗って仕上げます。厚みがあるとデコパージュがしにくいので、初心者の方は専用のデコパージュ用紙や紙ナプキンを使う方法が一般的です。
必要な材料:透明スマホケース、紙ナプキンや雑誌の切り抜き、デコパージュ専用液、デコパージュトップコートなど
手帳型ケース
手帳型のスマホケースは、100均などで既製品を購入してアレンジする方法と、厚紙・プラスチックを使って自作する方法があります。既製品から手帳型スマホケースを作る場合、裏面が接着面になっている布の粘着シートやリメイクシートを使うと便利です。スマホケースのサイズにシートを切って、ケースに貼るだけで簡単にアレンジができます。
自作する場合は、厚紙やプラスチックをスマホのサイズに合わせて手帳型になるように切り抜いて土台とします。粘着シートやリメイクシート、ステッカー、デコパーツなどを貼ってデザインを作り、スマホを固定するための透明ケースを接着して完成です。
必要な材料:手帳型スマホケースまたは透明スマホケース、粘着シートやリメイクシート、必要に応じて厚紙やプラスチック、デコパーツなど
レザークラフト
素材や質感にこだわりたい人は、レザークラフトでスマホケースを自作している場合もあります。革製のスマホケースの自作は難しいと思われがちですが、手芸用品店やネットショップ、100均などでさまざまな材料と道具を調達でき、気軽に挑戦することができます。
まずはスマホのサイズに合わせた型紙に沿って革を裁断し、専用の接着剤で革同士を貼り付けていきます。そのままで縫わずに作ることもできますが、レザークラフト用の針と糸で縫い付けると耐久性が高まり、見た目も本格的になります。裁断面にはやすりをかけてレザークラフト用仕上げ材を塗り、透明ケースなどを固定して完成です。
必要な材料:透明スマホケース、革、型紙、レザークラフト用の針と糸、レザークラフト用仕上げ材など
UVレジン
紫外線を当てると硬化する樹脂のUVレジンを使って、透明感のあるおしゃれなスマホケースが作れます。透明スマホケースに押し花やデコパーツを並べ、レジン液を均一に伸ばしてコーティングしていく方法です。レジン液は気泡が入りやすいため、硬化前にはつまようじや、狙った場所に温風をあてられるエンボスヒーターで気泡をつぶしましょう。UVレジンは紫外線が当たらないと固まらないので、厚みのあるデザインの場合には表面だけが固まってしまうことを避けるため、何度かに分けてレジン液を入れて硬化させていきます。
必要な材料:透明スマホケース、レジン液、UV照射器、必要に応じてエンボスヒーター、デザインに使用する押し花やデコパーツなど
マニキュアを使ってデザイン
自由にデザインができるマニキュアも、自作スマホケースを作るのに最適です。透明スマホケースにマニキュアで直接デザインを描くだけという手軽さも魅力の一つです。また、スマホ型に切ったクリアファイルにデザインを描いて透明ケースなどに挟むことで、複数デザインの着せ替えができるようにすることもできます。
必要な材料:透明スマホケース、マニキュア、デコパーツ、必要に応じてクリアファイルなど
自作したスマホケースを販売する場合は、自分でECサイトを立ち上げるほかにも、ハンドメイド販売サイトとして有名なminne(ミンネ)やEtsy(エッツィー)といったモールを利用する方法があります。
3. 製造業者へ製造を委託
ビジネスとしての利益率を高くしたい場合は、業者に製造を依頼する方法(OEM)もあります。注意点としては、製造業者との契約で最低発注量(通常10~200個以上)をまとめて購入し、在庫や購入者への発送を自分で管理する必要があることです。大量購入により1個当たりの製造コストは安価になりやすく、販売数が確保できれば利益につながります。
なお製造業者と取引をする場合には、大量発注をする前にサンプルを依頼しておくことが不可欠です。これにより、発注したスマホケースと届いた現物が異なる、質感やデザインに納得がいかないなどのトラブルを避けられます。また、メーカー側で企画・製造した商品を仕入れて、オリジナルのグッズやブランドに加えるホワイトレーベルという販売形態もあります。スマホケースなどの製品ではカスタマイズの一環としてデザインを変更できるものも多いため、Alibaba(アリババ)などのBtoB ECサイトを使えば製造会社を見つけることができます。
スマホケースが自作できるアプリ・サービス10選
Printful(プリントフル)
Printfulは、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、日本で展開するプリントオンデマンド会社です。月額料金や登録料金がかからず、注文が入った時だけ支払いが発生する仕組みです。スマホケースは1個から注文が可能で、在庫を抱えるリスクがなく、仕入れのための費用捻出も不要です。
PrintfulとShopifyは連携ができるので、Printful上で商品のデザインを作り、価格や商品説明を追加すると自分のECサイトに情報を反映させることができます。これにより、商品の注文が入ったらPrintfulに自動で情報が送られ、製造、梱包、配送といった注文処理もPrintfulが行ってくれるので、EC事業者の作業負担が軽減されるというメリットもあります。Shopify、Printfulのどちらも海外発送に対応しているので、スマホケース販売で越境ECに挑戦したい人にもおすすめです。
特徴:
- 無料デザインツールあり
- Shopifyのショップと接続可能
- 世界中で販売できる
SUZURI(スズリ)
SUZURIでは、jpgやpng形式の画像やイラストをアップロードするだけで、オリジナルのスマホケースや多彩なアパレルグッズなどを同サービスのモール上で販売することができます。SUZURIのモールにすでに多くのユーザーがおり、新作商品が「ピックアップ」欄に掲載されるといった仕組みがあるため、自分のブランドの知名度が低くても売れやすい点も魅力です。
また、OEM製造として大量に仕入れる場合には、購入単価が下がるクーポンなども用意されています。スマホケースはクリアスマホケース、ソフトスマホケース、手帳型スマホケースの3つのカテゴリーから選べます。
特徴:
- 画像のアップロードだけで簡単にオリジナルスマホケースが作れる
- 大量購入をすると割引クーポンが貰える
オリジナルプリント.jp
オリジナルプリント.jpは、スマホケースをはじめとする1500種類以上のアイテムをオリジナル商品化して販売できるプリントオンデマンドサービスです。独自のデザインツールを使用すれば、データのアップロードやデザイン作成も簡単にできます。
ShopifyのECサイトと連携でき、注文が入るとオリジナルプリント.jpへ簡単に発注することができます。13時までに注文確定をすると当日発送を行ってくれるので、商品をできるだけ早く使いたい顧客のニーズにも応えられます。スマホケースの種類は、ストラップホール付き、手帳型、クリアケース、ハードケース(グロス)、ハードケース(マット)の5種類があります。
特徴:
- 無料デザインツールあり
- 価格と納期がすぐに確認できる
- 13時までの注文は当日発送ができる
ヨツバ印刷
ヨツバ印刷は、豊富な種類のスマホケースを扱っているプリントオンデマンドサービス会社です。印刷から発送までを自社で行っているので、コストを抑えたい人にも最適です。ハードケース、ソフトケースなどの定番から、側面まで印刷ができる全面印刷、グリップケース、ミラーケース、ネオンサンドケース(ケースに蓄光ネオンサンドを使ったもの)などのトレンドを取り入れたケースも充実しています。
特徴:
- 無料デザイン作成シミュレーターあり
- スマホケースの種類は26種類
- 最短2〜4営業日で発送される
スマホラボ
スマホラボは、30万件以上の制作実績を持つオリジナルグッズ制作会社です。1個からの製作が可能なだけでなく、30個以上からは大口注文扱いとなり、より安い単価で自作スマホケースを作れます。デザインを相談することもできるので、クオリティの高いスマホケースを作りたい人にも適しています。また、商品直送機能を使えば、できあがった商品の配送元名義を自分のショップ名に変更して直接顧客に届けてもらえます。
特徴:
- 無料デザインエディタあり
- スマホケースの種類は18種類
- 発送まで最短3営業日
デザインケース
デザインケースは日本国内の工場で印刷を行っており、色彩や細かい線の再現性が高い印刷技術を特徴としています。種類は手帳型、ハードケース、ソフトケース、グリッターケース、ハイブリッドケース(背面はハードケース、側面はソフトケース素材で構成されたもの)、ネオンサンドケースがあり、iPhone各モデルに加えてAndroidも517機種に対応しています。デザインはウェブサイト上またはアプリを使って作成でき、入金から発送までは5日~1週間程度です。
特徴:
- ウェブまたはアプリでデザインが作れる
- iPhoneに加えてAndroid517機種に対応
- 有料でギフトラッピングもしてもらえる
Up-T(アップティー)
Up-Tは、全国送料無料でオリジナルスマホケースが作れるサイトです。ケースの種類は手帳型、ハードケース、ソフトケースのほかにウッドケースや背面強化ガラスなどの特殊ハードケースもあります。使用したい画像の背景を透過させたり、スケッチやイラストからデザインを制作してもらうこともできるため、デザインが苦手な方にもおすすめです。
午後2時までに注文すれば最短3営業日程度で商品が出荷されるほか、商品によっては午前9時までに注文すると即日出荷されるものもあります。また、購入額の1%がポイントとして貯まり、次回以降の注文の際に割引を受けられる制度もあり、繰り返し購入する可能性のある方にもおすすめです。
特徴:
- 無料デザインツールあり
- 全国送料無料
- 無料背景透過、無料デザインサービスあり
藤井印刷株式会社
藤井印刷株式会社は、昭和21年創業の老舗印刷会社です。テンプレートやデザインシミュレーターを使って発注できるほか、イラスト作成ソフト等がない場合にはオペレーターに相談しながらデザインを作成することも可能です。自作できるスマホケースは、手帳型やプラスチックハードケース、ソフトケース 強化ガラス、レザーケースなどから選べます。
特徴:
- デザインシュミレーター(スマホ)あり
- テンプレート(パソコン)あり
- Paid(ペイド)を使った月末締めの掛け決済ができる
- まとめ買いで割引を受けられる
pixivFACTORY(ピクシブファクトリー)
pixivFACTORYは、イラストや漫画、小説のシェアに特化したSNSのpixiv(ピクシブ)と連携したグッズ制作サービスです。創作活動を行っている利用者に特化しているため、細かい線の再現もでき、デザインに忠実なスマホケースを作れます。入稿画面で画像をアップロードすれば、色やサイズを調節したり、文字を追加したりできます。また、人気クリエイターのイラストを素材としてデザインしたiPhoneケースなどを作成できるサービスも展開しています。
特徴:
- 入稿画面でデザイン調整可能
- 印刷が高品質
- 人気クリエイターのイラストを使ってiPhoneケースを作れる
snaps(スナップス)
snapsは、簡単に自作スマホケースなどをデザインして発注できるスマホアプリです。ケースの種類は、クリアハイブリッド、半透明ハイブリッド、プレミアムレザー、クリスタルハイブリッド、透明ゼリー、ホログラム、グリッター、クリアジェルハード、クリア極薄から選べます。画像の背景切り抜き機能も付いていて、手持ちの画像をアレンジしやすいという特徴があります。
特徴:
- 手軽に発注できるスマホアプリ
- 背景切り抜き機能付き
自作スマホケースの販売方法
自作スマホケースをネット販売するには、主にECサイトを作って販売する方法と、ハンドメイド販売サイトを活用して販売する方法があります。
Shopifyを使えば、自作スマホケースを売るためのECサイトを簡単に立ち上げられます。ネットショップに必要な決済手段やホスティングサービスも含まれており、ウェブサイト制作の知識がなくてもEコマースビジネスを簡単に始められるように設計されています。また、マーケティング分析やSNS連携などの機能を必要に応じて追加できる、多彩なShopifyアプリが用意されていることも魅力の一つです。
ハンドメイド販売サイトやフリマアプリは集客力がある反面、競合が多いという特徴があります。スマホケースを効率よく販売するためには、Google広告やFacebook広告を導入したり、SNSマーケティングを活用したりして戦略的に集客を行いましょう。
まとめ
スマホケースの自作は、自宅で稼ぐ方法としても人気があります。趣味の一つとしてハンドメイドで既存のケースをアレンジしたり、革や布を使って本格的なスマホケースを手作りすることもできます。ハンドメイド作品に特化した販売サイトも人気を集めているため、活用すれば手軽に集客が可能となります。
販売目的でスマホケースを自作する場合には、1点から注文できて在庫管理の心配がない、プリントオンデマンドサービスを利用すると、手軽に高クオリティの商品を作れます。ECサイトとプリントオンデマンドサービスを連携させれば、注文と同時に商品情報がサービス会社に送られ、制作から梱包、発送までを行なってくれるため、作業負担を軽減することができます。
スマホケースはトレンド変化が早い商品の一つです。GoogleトレンドやSNSでの動向を細かくチェックし、人気のデザインを積極的に取り入れることも大切です。
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スマホケース自作に関するよくある質問
スマホケースを自作する簡単な方法は?
プリントオンデマンドサービスを使うと、簡単に高クオリティなスマホケースが自作できます。素材となるイラストや写真を用意すれば簡単にデザインを作成できる、専用ツールも提供されています。
スマホケースは100均で自作できる?
スマホケースは100均で手に入るアイテムを使って自作できます。透明スマホケースにステッカーや写真、シールを貼って手軽にアレンジする方法のほか、布やレザークラフト用の材料、マニキュアなどを使って本格的にデザインすることも可能です。
文:Masumi Murakami